グローバルなキャリアの経験値を老舗に注入
足立(一) 松井板硝子店は、もともと妻である律子の祖父が始めた会社です。1970年から1980年くらいまでは建築用のガラスが主体でしたが、その後のモータリゼーションの波に乗り、自動車ガラスの分野で高いシェアを誇るまでに成長しました。妻の律子とは、京都大学在学中に知り合いましてね。三菱電機に就職後は、英国やシンガポールなど家族を連れての海外赴任の生活が長く、その後は、欧米系の外資企業などに転じ、CFOなどの仕事をしていました。
石黒 非常に濃いキャリアを歩まれてきたのですね。どのような経緯で会社を継ぐことになったのか気になります。
足立(一) 以前より、義父母から「会社を継いでほしい」と言われていました。義父が高齢になったのを機に、業種がまったく異なるものの、それまでの経験と知識などが役に立てることがあるならと思い、引き受けました。現在は、米国にいた長男卓也もこの会社に入り、一緒に働いています。