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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

ニッチな半導体製品を
市場に即して展開する

 
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高橋 3ヵ月が24ヶ月ということは、単純計算でコストは8分の一ですね。すごい!
 
飯野 特に昨今の大不況で、どの企業もコスト削減をおっしゃるわけですが、上手くすれば100円の物を80円で買えるとしても、0円では買えません。モノを買うコストを削るのは限界があるのです。そこで、物が動かない場面の見えないコストを削減する必要があることに、多くの企業が気づきはじめているのです。
 メンテナンス事業者様は、お客様から苦情が入ればすぐに飛んで行って対応する、労働集約的な事業モデルです。夜間も営業所に人がいて人件費がかさみますが、デジタル点灯管プロを使っていただければ出動回数を減らせるメンテナンスフリー効果が生まれます。見えないところで活躍する商品ですから、お客様1人1人にきちんと、どういう費用対効果があるのかをまで説明してご提案をする必要が有りますが、1度ご理解いただければ、長いお付き合いをいただいているお客様も珍しくないですよ。
 
 

開発から10年。時代が我々に追いついた。

 
飯野 今、照明業界はどんどん省エネの方向に進んでおり、大企業はLED照明に向かっています。しかし、蛍光灯をLEDに交換するには、一定の出費がかさみます。中小の企業様にはそれなりに負担ですよね。それが弊社のデジタル点灯管プロなら、数百円の投資ですから。
 
高橋 個人レベルでエコに取り組んでいる消費者にも、かなりアピールできますね。
 
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飯野 10年前に「環境にいいですよ」とご説明しても、なかなかご理解いただけませんでした。しかし、どんどん時代が変わり、環境は一大ビジネスになりましたし、消費者1人1人も環境について考えるようになりました。手前味噌になりますが、10年たって、ようやく当社製品のコンセプトをご理解いただける時代がやってきたと感じています。
 一般の消費者向けには、現在は特に、1人暮らしの高齢者を想定しています。
 
高橋 私と母みたいに、蛍光灯の取り替えが大変だから?
 
飯野 そのとおり。蛍光灯を交換したくても暗くてできなかったり、椅子の上に立つこと自体、高齢者には危険じゃないですか。そんなお爺ちゃんお婆ちゃんが安心して暮らせるようにするためのバリアフリー効果も狙っているんですよ。
 
高橋 なるほど。いろんな効果が見込めますね。デジタル点灯管プロ以外には、どんな製品を扱っていますか。
 
飯野 キセノンストロボフラッシュという、携帯電話に使うチップも販売しています。携帯電話のフラッシュというのは実はLEDが主でして、光量が少ないから夜はキレイに撮影できないんです。いっぽう、デジタルカメラのフラッシュはキセノン管でキレイに撮れるんですが、そのままでは回路が大きすぎて携帯電話には入らない。そこで我々はキセノン管を携帯電話に収まるまで小型化し、製品化しました。カメラのフラッシュの技術は、蛍光灯の放電をコントロールする技術に似ている部分があるのですよ。
 
高橋 意外と身近なところに御社の技術が落とし込まれているんですね。
 
飯野 ええ。「光の当たらないところ」ですけれどね(笑)。