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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

ニッチな半導体製品を
市場に即して展開する

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右 グロー管と交換するだけで蛍光灯が長寿命化、点灯速度は
2倍速以上を実現。これがマイコン制御の力です!
左 ソケットねじ込みタイプ。低ワット数の蛍光灯用の仕様です。

飯野 弊社のような小規模会社は価格では大企業に勝てません。仮に弊社が新しい製品を開発しても、資本力で勝る大企業が同様の素子を開発すれば一気に大量生産をして価格を下げてしまいます。
 そこで、いわゆるニッチマーケットを狙っています。大企業がやらない分野で独自のコア技術を伸ばし、ユーザーにメリットがある優れたものを作っていけば生き残れますから。現在メインで販売しているのは、「デジタル点灯管プロ」という商品です。
 

点灯管の中にマイクロコンピュータを内蔵

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飯野 高橋さんは、蛍光灯を点灯させるグロー管をご存じですか?
 
高橋 スイッチを入れると最初にチカチカする、あれですよね。
 
飯野 そうです。グロー管というのは何十年も前から売られていて、店では50円ぐらいで買うことができます。弊社はこれに着目し、グロー管の中にASICと呼ばれるマイクロコンピュータを入れようと考えました。それによって蛍光灯の放電を最適にコントロールし、寿命を伸ばすことができるのです。蛍光灯の寿命が伸びると、廃棄量も少なくなります。蛍光灯の中には水銀が入っているので、廃棄すると人体によろしくない。そういった意味でも、環境にやさしい製品です。
 
高橋 蛍光灯の寿命が伸びるっていいことですよね。私は母と2人暮らしなので、蛍光灯を替えるとなると2人がかりで大変なんですよ。ですから、なるべく蛍光灯には長持ちしてほしいです。
 
飯野 蛍光灯がつく前のチカチカッ。あれは、実はものすごく強いエネルギーを使っていまして、蛍光灯を傷めるんです。ですから何十回何百回もつけたり消したりを繰り返すと、蛍光灯の寿命も短くなります。弊社のデジタル点灯管プロは、内部のマイクロコンピュータが制御して蛍光灯がいちばんダメージを受けにくい状態で点灯させます。ですから寿命が縮まりませんし、点灯時間も約0.5秒。とても速いんですよ。
 
 

見えないコストを削減するデジタル点灯管プロ

飯野 価格を比較すると、従来のグロー管が50円ぐらい、デジタル点灯管プロはその10倍以上します。しかし、蛍光灯の交換は面倒ですし、頻繁に新しい物を購入するのも大変です。特に事業者にとっては、有害物質を含む蛍光灯は簡単に捨てられませんし、リサイクルにもコストがかかる。デジタル点灯管プロはそれらのコストを一気に削減できます。おかげさまで、販売開始からバージョンアップを重ねること10年以上、現在も非常に好調です。特にメンテナンス事業者様によく使っていただいています。例えば、エレベーターの中やマンションの廊下、看板の中などですね。
 
高橋 蛍光灯って、自宅の部屋で使うだけじゃないですものね。
 
飯野 ええ。例えばエレベーターは、人が乗ると照明が点灯し、降りると消える仕組みになっています。頻繁に点滅しますから、蛍光灯にとって非常に厳しい環境なのです。そこでデジタル点灯管プロを導入していただくことで、これまで3ヵ月に1回蛍光灯を交換していたところが、2年に1回に伸びています。それに伴う様々なメンテナンス間接コストも大幅に削減できたというフィードバックもいただいています。
 
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継続的にコストを削減するなら、今の蛍光灯を
長く使いましょう。メンテナンスフリーを実現する
DCTの「デジタル点灯管プロ」