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ビジネス 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.13 支配したいんじゃない。融合したいだけなんだ。 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート 経営コンサルタント/サトーカメラ代表取締役専務

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皆さんこんにちは。佐藤勝人です。先月は台風と寒波が大変だったね。特に台風は21号、22号ともちょうど週末に当たって、10月の週末は軒並み雨にやられちゃった。商業関係の皆さんは頑張って巻き返さないとね。今回の話がそのお役に立てばいいなと思いつつ、始めようか。
 
 

「単品突破力(単品力)」とは何か

 
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アメリカ視察6日目の宿泊先はサンバーナーディーノ
マクドナルド発祥の地で「融合」への志を新たに
今回編集部からリクエストされたのが、10月19日、「第11 回佐藤勝人と行くアメリカ商業視察セミナーinラスベガス」の初日、さっそく視察したショッピングモール内のスーパーマーケットの話だ。Facebookの投稿にこうある。「集客一番単品のリンゴコーナー、ジャガイモコーナー、玉ねぎコーナーだけでも、地域一番化へと! やっぱり総合力ではない単品力。ベーシックに学ぶこと多いなぁ(^^)」
 
「総合力ではない単品力」というあたりを教えてということなんだが、「単品力」は正確には「単品突破力」と呼んでいます。上のリンク先の投稿写真でもわかる通り、向こうはリンゴもジャガイモも玉ねぎも、それぞれ大体同じ価格帯で、例えば100円のリンゴなら100円のリンゴを10種類以上も並べている。「価格帯を絞り込んだ品種品揃え」の地域一番化戦略だ。それを何品目にもわたって展開するから圧巻だ。
 
昔これを見た日本はどうしたか。そのまま真似したんだよね。で、失敗した。なぜか。向こうは人種が多いから、同じジャガイモ料理をつくるのでも、使うジャガイモも調理法もそれこそ民族、人種ごとに違うから種類が多い。でも、日本は単一民族だから使うのはせいぜい2種類、男爵かメークインぐらい。諸先輩方はそこに気付かず形だけ真似た。だから失敗したわけだよ。
 
じゃあどうすればよかったのか。私の説く日本型単品突破力の発想では、1つでいい、例えばリンゴならリンゴを、一番安い1個50円のものから一番高い1個500円のものまで全価格帯を揃えろ、と教えます。そうやって「リンゴなら佐藤商店だ!」と見た瞬間に認識されるようになれ、と。人種の多様性に合わせて単品を“品種品揃えで横に”多様化していくのがアメリカ型なら、日本型は“価格帯品揃えで縦に”多様化して客層を網羅していく。どちらも地域一番化戦略のやり方だというわけだね。
 
だから私はどこの指導先でも、「どの商品で勝負するかをまず決めろ!」と教えます。それで決まったら、ピンからキリまで、できる範囲でいいから価格帯品揃えをさせます。そのうえで、キリにはキリの、そこそこにはそこそこの、ピンにはピンの売り方があることを教えて実践させます。「ジュースつくるの? じゃあこっちで充分だよ」とか、「贈答品? ならこれ、これにしたほうが喜ばれる!」というふうにね。
 
サトーカメラも、プリントでそれを実践しました。1枚10円のS判プリントから1枚50円に、130円に、1200円に、さらには額装つき1万円の大判プリントまで全部揃えた。スマホで撮ったスナップ写真は1枚10円から、想い入れのある貴重なショットは1枚1万円まで。金持ちだからってスナップ写真も全部額装プリントするかっていったらそんなわけないし、普段はS判で済ますお客さんも、想い入れのある写真は奮発して額装プリントを注文してくれる。個々の想い入れを基軸にした価格帯品揃えでそれらの客層に全部応えた。店は地域を絞ったんだから商品では客層を全網羅した。だから成功しているんです。
 
それなのに、「うちはプリントにこだわるから裾モノは扱いません」とか「客層を絞れ」と教えるのが今の主流のマーケティング理論なわけだ。
 
それは違うっての。この連載のタイトルの通り、ビジネスは時事国々(じじこくこく)だっての。アメリカは格差社会。だからこそ価格帯で客層を絞る。向こうの金持ちや一般人は100円ショップなんて寄り付かない。住むエリアも金持ちと一般人で別々だ。日本は平等社会だから金持ちも一般人も同じ地域に入り混じって住み、金持ちも一般人も普通に100円ショップに買いに来る。そんな価値観の国で、やれ富裕層マーケティングだ、高単価商品へのシフト戦略だ、なんて言っている。日本で客層にこだわる理論は案外おかしいものだよ。私たちは商品にこだわるからこそ、客層を広げて地域に影響を与えることができるわけですから。
 
 

レイ・クロックとマクドナルド兄弟のドラマから

 
もう1つリクエストされたのが25日、ハンバーガーのマクドナルド発祥の街サンバーナーディーノに行った時のこと。ここはぜひ泊まりたかったんだよな。今年7月に公開された『ファウンダー』って映画を知ってるかい。マクドナルドはもともとこの街でマックとディックのマクドナルド兄弟がやっていたローカルチェーンなんだ。パテの焼き方からオペレーションの仕組みまで全部この兄弟が編み出して、圧倒的地域一番店になっていた。それに惚れこんだレイ・クロックが兄弟と組み、初めはうまくやっていたんだが、ナショナルチェーンになっていく過程で兄弟が付いてこれなくなって、最終的にレイ・クロックが兄弟の許可なくマクドナルドの商標権を買収した。映画はその間のドラマを描いたものだ。私は25日にサンバーナーディーノに行くまでに7、8回は観た。
 
当日は記念館を見学した後、店にも入りました。我々の感覚だと、発祥の地界隈の店だから兄弟がやっていた頃の雰囲気にしてると思うじゃん。違うの。最先端のマクドナルドなの。注文と支払いも最新鋭のタッチパネル。「お、おう」って感じ(笑)。で、エッグマフィンを食べたら、やっぱ最先端は違うよね。卵に黄身がないのよ。白身だけなの。「さすが、最新鋭の店はカロリーに配慮してんだね~」と、サトーカメラ中国から合流した勇士社長と日本から同行の湯澤取締役と一緒に笑いました。まあ、たぶんミスだけどね。
 
映画を見ると、冴えないセールスマンだったレイ・クロックがマクドナルドに出合った齢が、今の私と同じ52歳。「あっ!」と思ったね。「変わり目だな。自分もこれからはレイ・クロックにならんといかんのだな」と。
 
私はどちらかというと根はマクドナルド兄弟に近い自覚がある。地域一番店のオヤジタイプだ。日本で真正のレイ・クロックタイプは孫正義とか柳井正とか、マクドナルドを日本に持ってきた藤田田とかだ。みんなガチでレイ・クロックを尊敬していて、この3人、やっぱり似てるんだよなぁ。
 
私がレイ・クロックを目指すとして、彼とマクドナルド兄弟のどっちが正しいという考え方は、私はしないと思う。兄弟がもっと勉強してレイ・クロックについていくか、兄弟がやれることをレイ・クロックができてればそれが一番だったんだ。融合したらよかったんだよ。自分ならそれがやれると思う。
 
1つには日本人だから。和洋を折衷・融合した実績のある民族の人間だからだ。そしてもう1つは、アジア人だからだ。アジア人は欧米列強に虐げられ見下されてきた側の人たちだ。日本人は見下されてきた側の気持ちがわかる。いっぽうで経済の面では欧米並みに発展したから、成功した側の気持ちもわかる。両方の気持ちがわかるからこそ、どっちが正しいとせずに、融合させられると思うんだよね。
 
昔ほど露骨じゃないけど、今もアメリカは差別があるよ。白人は根っこではアジア人なんか店に来てほしくないと思ってるよ。それでも、表面だけでも差別がないように見せて黒人もヒスパニックもイエローも迎え入れる、あるいは働かせられる仕組みをつくるあたり、やっぱり連中は頭がいい。支配するのが実に上手い。
 
でもやっぱり、私はあれに見習おうとは思わない。私は支配したいんじゃない。融合したいだけなんだ。それぞれの民族のいいところを組み合わせたサービスと商品で世界中に地域一番化戦略を根付かせたいんだ。それこそが地域社会、地域文化をつくることだと信じてやっていくよ。これからもヨロシク!
 
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とうきょう勝人塾 お問い合わせ
TEL:0422-72-8033(B-plus企画部)
e-mail:t-katsuhitojuku@business-plus.net
 
繫盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート
vol.13 支配したいんじゃない。融合したいだけなんだ。

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ株式会社・代表取締役専務/佐藤商貿(上海)有限公司・総経理/日本販売促進研究所・経営コンサルタント/作新学院大学・客員教授

 経 歴  

1964年栃木県宇都宮市生まれ。1988年、兄弟とともに家業のカメラ店をカメラ専門チェーン店に業態転換させ、商圏をあえて栃木県内に絞ることにより、大手に負けない経営の差別化を図った。以来、「想い出をキレイに一生残すために」というコンセプトを追求し続けて県内に18店舗を展開。同時におちこぼれ社員たちを再生させる手腕にも評価が高まり、全国から経営者や幹部リーダーたちが同社を視察に訪れている。2015年からはキャノン中国とコンサルティング契約を結び、現場の人材育成の指導にあたる。主な著書に『売れない時代はチラシで売れ』『エキサイティングに売れ』(以上同文館出版)『日本でいちばん楽しそうな社員たち』(アスコム)『一点集中で中小店は必ず勝てる』(商業界)など。最新刊『断トツに勝つ人の地域一番化戦略』(商業界)が好評発売中。

 オフィシャルサイト 

http://satokatsuhito.com/

 オフィシャルフェイスブック 

https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts

 サトーカメラオフィシャルサイト 

http://satocame.com/

 
 
(2017.11.22)
 

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