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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

働き手を尊重する 富士見市の電気工事業
小野電設 代表 小野秀武

 
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インタビュアー 石黒彩 (タレント)
石黒 小野電設さんは電気の配線や照明の取り付け・メンテナンスなどを行っておられるそうですね。まず、小野代表のこれまでの歩みから教えていただけますか。
 
小野 通っていた高校が実業系だったこともあり、専門資格にチャレンジし続ける青春時代でした(笑)。電気工事や無線など、国家資格も含めて約20種類を取得しましてね。その後、新卒で就職し、故郷の福島県から上京しました。その会社の事業内容は通信工事の現場管理がメインで、私は携帯電話の基地局などを建てる業務に3年ほど従事したんです。
 
石黒 もともと強い向上心を持っておられたんだ。高校生の頃からたくさん資格を取得するなんて、尊敬しちゃいます。勤め先でも活躍されたのでは?
 
小野 仕事は頑張っていたものの、なかなか給料が上がらず・・・。「このままではいけない」と思い始め、入社2年目くらいから独立を見据えるようになったんです。退職後は仕事を掛け持ちしながら起業の道を模索し、電気設備工事業にたどり着きました。現在は、大型施設や病院など鉄筋コンクリート関係の現場を中心に施工を手がけています。
 
石黒 自分の道を切り拓かれてきた努力家ということが、よくわかりました。独立後は、保有していた専門資格が役立ったのではないでしょうか。
 
小野 確かに資格を持っていて、現場管理のキャリアもあったことは大きな強みだと思います。しかし、私には現場作業の経験がなかったんですよ。具体的に何をすべきかわからないことだらけだったので、独学で試行錯誤しながらのスタートでしたね。
 
石黒 なるほど、知識はあっても技術が足りなかったと。ご苦労も多かったことでしょう。
 
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小野 とにかく職人さんを見て学びました。道具の扱い方や作業の進め方など一つひとつを見よう見まねで身に付けまして。最初は叱られることも多かったものの、その中で大切なことを学んだんです。
 
石黒 大切なことですか。気になりますね。
 
小野 古びた体質をあらためない限り業界は進歩しない、との気付きです。昔ながらの「見て覚えろ」は本質的に不親切でしょう。今の若者にはストレスでしかありません。残業代が出ない、休日が取れないといった問題も業界内には依然としてあります。