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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

伝統の製紐技術を応用し
ものづくりの新市場拓く

 

多くの方に支えられて今がある

 
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吉井 それにしても、今はすっかりお元気になられた様子ですね! お仕事も順調なようで何よりです。
 
中山 おかげさまで、と素直に喜びたいところですが、私の人生はどうも波瀾万丈にできているようで。実は2011年に工場が火災で全焼してしまったのです。幸い、風がない日で延焼せず、近隣の方の被害は最小限ですみました。取引先には多大なご迷惑をおかけしましたが、必ず再建するからと誓うと変わらぬ取引を約束してくださり、救われた気分でした。
 
吉井 全焼とは、お気の毒でしたね。そうすると、現在の生産体制は火災後につくられたものなのですか?
 
中山 はい、義叔父がすぐに駆けつけてくれ、2ヶ月半にわたって工場の図面作成などを手伝ってくれました。今日があるのは義叔父のおかげだと思っています。また、バンド活動に熱心だった次男も火災の翌日から仕事を手伝ってくれるようになり、とても心強い味方を得ました。
 
吉井 お子さんのサポートについては、中山社長のほうから誘われたのですか。
 
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中山 いいえ、彼の判断です。音楽を辞めてもいいのかと聞くと「今までやりたいことをしてきたから」と言ってくれましたが、我慢しているのが伝わりましたから、申し訳なく思いましたね。もちろん私も手をこまねいているわけにいきません。機械図面も焼失しましたから焼け跡から機械の部品を拾い集め、寸法を測って複製するなど再生に努めましてね。結果的に火災から半年後には本格的に再稼働することができました。
 
吉井 全焼から半年で再稼働とは、とても早い再出発です。意気込みが感じられますよ。
 
中山 ご迷惑をかけた皆様に償いを、そして助けてくださった多くの方に恩返しをするためには1日も早く再出発するしかないと考えました。波瀾万丈な人生ですが、人に恵まれたことが幸い。私を支えてくれている方々の存在が、人生の財産です。
 これまで加工業を行ってきましたが、今後は生産や販売体制も確保した業務展開していきたいと思っています。そのためにはさらに新しいものを生み出していかなければ。ただ、開発の目的を秘密にしていては息子に「オヤジがまた変な物をつくっている」と思われますから(笑)、図面や形にして、ちゃんと伝えていきたいですね。
 
吉井 育成にも力を注がれるということですね。御社から新しい組紐産業の形が生まれることを願っています!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
仕事の中で想定外なトラブル発生もあるけれど、それが難問であれば技術アップのチャンスと捉えています。そして、製品が完成した時の達成感は何ものにも代え難い。この積み重ねが何よりですね。
(中山和行)
 
 :: 会社概要 :: 
   ■ 社名 株式会社なかやま
 ■ 本社 〒252-0155 神奈川県相模原市緑区鳥屋788
 ■ 事業内容 組紐製造/装飾品製造
 ■ 設立 平成24年7月
 ■ 従業員数 6名