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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 

日本野球の未来のために邁進
古き良きを伝え新たなものを取り入れる

 
社会人野球を経て、ヤクルトスワローズに入団。ゴールデングラブ賞の受賞や、日本代表のキャプテンを務めるなどさまざまな実績を残し、2013年に引退した宮本慎也さん。現在は野球評論家として活動するほか、学生野球のコーチなども行っているという。長嶋茂雄氏からの「野球の伝道師になれ」という言葉を胸に邁進し続けている宮本さん。そんな宮本さんへのインタビューを通じて、野球の魅力や仕事の楽しみ方を探った。
 
 

野球の伝道師であるために

 
現在は野球評論家として、NHKの野球解説をしたり、日刊スポーツで評論を書いたりしています。そのほか、学生野球のコーチや野球教室の開催、講演やYouTubeへの出演など、野球を軸にいろんな活動をしているんです。僕は野球が大好きなので、引退したからといって離れるのではなく、ずっと野球の近くにいたいと思っています。「最近の技術はわからないよ」となるのではなく、勉強して、知り続けていたいんです。
 
現役の頃から、引退後は一度プロ野球以外の場所で勉強し直そうと考えていました。それは、いつかコーチや監督として現場に戻る機会をいただけた時に、必要なことだと思ったからです。そうして勉強を重ね、2017年に東京ヤクルトスワローズの一軍ヘッドコーチに就任しました。
 
僕が現役だった頃とは、データの使い方などが変わってきています。僕らの時代も、データは活用していました。でも今では、弾道測定器を使用したり、投球フォームやバッティングフォームなどもデータを利用して構築したりしています。僕もそれに順応し、アップデートしていかなければいけないんですよ。コーチを辞めた今でも、新しく聞いたことはとにかく調べて、勉強するようにしています。
 
2004年にアテネオリンピックの野球日本代表に選ばれた際、長嶋茂雄監督が僕たち選手に向けて「君たちは野球の伝道師になれ」というお言葉をくれました。今でも、その言葉通りでありたいと思っています。野球を多くの方々に伝えていくために、現代の野球についても学び続けているんですよ。昔のやり方でも良いものは残し、より良くなっているものは変えていくことが必要だと考えています。
 
コーチを経験して感じたのは、マネジメント業であるということです。特に私が就任したヘッドコーチは、技術を教えることは少なく、監督の意向をほかのコーチや選手に伝え、選手たちの意見を監督に伝える、選手と監督の間に入る役割が多かったんです。その時に考えるのは、「どうすればこの選手は幸せになるか」ということ。一球団には70人ほどの登録選手がいて、スタッフも含めると100人ほどが働いています。さらに、その一人ひとりにも家族がいると考えると、監督やコーチは何百人という人の人生を背負っているんですよね。
 
その全ての人を幸せにすることは難しくても、それを目指して活動しなければいけないと思って取り組んでいました。ただ、2019年に東京ヤクルトスワローズが最下位になってしまったので、責任を取って辞任しました。「辞めなくていい」と言ってくれる人も多かったのですが、僕の活動の軸は「損得で動かない」ということ。だからこそ、筋を通すべきだと考え、責任を取って辞めることを選びました。
 
 
 
 
 

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