インタビュアー 濱中治(野球解説者)
秦 木工塗装とは、家具や建具、店舗什器などの木製品全般に塗装を施す仕事です。一般の方にとってそれらの完成品は見慣れた物かもしれませんが、塗装の工程を見る機会はほとんどないと思います。塗装は、完成直前の工程。製品の印象を大きく左右する大切な作業なんですよ。
濱中 御社のInstagramを拝見したところ、鏡のようなあでやかな仕上がりのものもあれば、木目の美しさを生かしたものもあって、本当に表情が豊かですね。
秦 ありがとうございます。特注家具や店舗什器などは、一つとして同じものがありません。お客様のご要望にお応えし、満足していただけるように、日々研さんしています。
濱中 その言葉からも仕事への情熱が伝わってきます。この世界に入られたきっかけは、お父様の影響だったそうですね。
秦 はい。父が木工塗装職人だったので、小さい頃から工場が遊び場のような環境でした。16歳の頃から父の仕事を手伝い始め、技術を覚えていくうちに、この仕事の奥深さや面白さにどんどん引き込まれていきました。
濱中 16歳からとは早いですね。職人さんの世界は厳しいと聞きますし、お父様が親方ならなおさら大変だったのではないですか。

濱中 今は「追い越したかな」と感じることはありますか?
秦 まだまだですね。父は今でも私の目標です。木は一枚一枚表情が違いますし、同じ塗料を使っても木目や材質によって仕上がりは変わります。色合わせも経験がものを言う世界なので、毎日が勉強ですね。
濱中 同じ製品を何十個も仕上げる場合もありますよね。
秦 その場合は全部同じ色、同じ質感にしなければなりません。少しの違いでも仕上がりが変わるので、とても神経を使いますね。


