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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

利用者と家族に寄り添う
当事者目線の訪問看護

 

母の看取りを機に志した、訪問看護の道

 
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八木 看護の道を目指されたきっかけは何だったのでしょう?
 
淺田 母の存在ですね。実は、最初は医師を目指していました。でも、なかなかうまくいかなかったんです。母子家庭で母が一人で育ててくれていたこともあり、いつまでも医師になる夢を追い続けるのは難しかったんですよ。そんな中、母が看護師として働く姿をずっと見てきたこともあり、「患者さんにより近く寄り添えるのは看護師だ」と考え、看護師の道へ進むことにしました。
 
八木 お母様の背中を追って、看護師になられたんですね。
 
淺田 ただ、病院勤務時代は正直、苦しさのほうが大きかったです。病棟や手術室で働く日々は本当に慌ただしく、常に業務優先。人を診ているというより、仕事をこなしている感覚がどうしても苦しくて、転職も何度か経験しました。母にも「また辞めるのか」とよく叱られたものです(笑)。
 
八木 訪問看護のお仕事に行き着いたのはどうしてだったのでしょうか。
 
淺田 それも、きっかけをくれたのは母です。正確に言えば、看取りがきっかけになりました。というのも母が、がんを患い全身転移をしましてね。最後の3ヶ月は仕事を辞めてホスピスで一緒に過ごしました。夜中も10分おきに体の向きを変えてほしいと呼ばれ、家族として、肉体的にも精神的にも相当な負担を味わいました。最後は苦痛を和らげるために意識を低下させる薬を使うことになったのですが、その薬を使用する日が、一日先延ばしとなり、その間母はとても苦しみました。ホスピスの師長さんに泣きながら抗議したことを覚えています。その時に強く感じたのは、患者様だけではなく、そばで支える家族へのケアの重要性です。家族は常に不安や葛藤を抱えながら、正解のわからない中で判断を迫られます。だからこそ、その苦しさに寄り添ってくれる存在が必要だと痛感したんです。
 
八木 当事者だからこそわかる苦しさですね。
 
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淺田 当時は看護師である自分でさえ、最期を自宅で看取るという選択肢を知りませんでした。でも、母を看取った後、訪問看護の仕事に導いてくださった方がいまして。訪問看護であれば一人ひとりとゆっくり向き合い、その人らしい時間を支えられる。そのとき、「自分が本当にやりたかったのはこれだ」と確信しました。それから、気が付けば16年、訪問看護の道一筋です。
 
八木 16年という月日の中で、ご自身の看護観も変わってこられたのではないですか。
 
淺田 はい。最初は「何かして差し上げなければいけない」という思いが強かったんですよ。でも、在宅で利用者様と向き合う中で、その方が今日どんな気持ちで過ごしているのか、ご家族がどれだけ不安を抱えているのか、そうした“言葉にならない部分”を感じ取ることの大切さを学びました。医療の技術だけではなく、人としてそばにいる、その時間自体に意味があると思うようになったんです。