B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

地域に価値を創出する 個性に寄り添う福祉事業
一般社団法人ノーワン 代表 大井昭典

 
プロフィール 香川県出身。小学校1年生から野球に打ち込み、高校卒業後に大学へ進学し、障がいや心理について学ぶ。卒業後は高齢者や障がい福祉の現場で経験を重ねた。その後、自身の子どもがダウン症として生まれたのをきっかけに、障がい者が安心して暮らし、働ける環境を整える必要性を実感して独立を決意。障がいのある人たちに向けて住まいと就労の両方を支える場を提供するため、(一社)ノーワンを設立した。
 
 
 
一般社団法人ノーワンは、障がい者グループホームGH(ジーエイチ)ノーワンと就労継続支援B型事業所SS(エスエス)ノーワンを運営。一人ひとりの個性に寄り添う支援を大切にしながら、住まいと働く場の両面から利用者の生活を支えている。さらには地域の農業や水産業との連携を進め、地域の課題解決にも挑んでいる。香川県の地域資源を生かしながら、事業の可能性を広げ続ける大井昭典代表の、事業への思いとその取り組みに迫った。
 
 
 

自身の子どもが導いた独立への決断

 
glay-s1top.jpg
インタビュアー 八木裕(野球解説者)
八木 香川県で障がい者グループホームGHノーワンと、就労継続支援B型事業所SSノーワンを運営する大井代表にお話をうかがいます。まずは事業を立ち上げるまでの歩みをお聞かせください。
 
大井 私は小学校時代、野球に打ち込んでいました。高校は工業系の学校に進みましたが、その頃に障がいのある子どもと関わる機会があり、福祉の仕事に興味を持つようになったんです。そこで吉備国際大学へ進学して障がいや心理について学び、卒業後は高齢者福祉や障がい福祉の現場で経験を重ねてきました。転機になったのは、自分の子どもがダウン症で生まれたことです。その子の将来を考える中で、障がいのある方が生活する場所と働く場所の両方が必要だと考えました。そして、その環境を自分でつくろうと思い、独立を決意したんです。そこでまずは住む場所としてグループホームを立ち上げ、その後、働く場として就労継続支援B型事業所の運営を始めました。
 
八木 ご自身の経験やお子さんのことが、事業の出発点になっているのですね。法人名には、どのような思いが込められているんですか。
 
大井 はい。「No One」には二つの意味があります。一つは「一人じゃないよ」というメッセージ。もう一つは、一個ずつ、一歩ずつでいいから成長していこうという意味です。利用者様一人ひとりの変化は一朝一夕には現れないものです。だからこそ、その人のペースで階段を一段ずつ上がっていけるような支援をしたい。その思いを法人名に込めました。