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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

こども食堂から始まった
生きる力を育む支援

 

“本物”に触れてもらい、生きる力を育む

 
乾(真) 子どもたちが学べる場所が必要だと思い、スタートしたのが一般社団法人奈良こども支援センターEducareなんです。プログラミングやアニメイラストの指導といった専門分野にも視野を広げ、学習支援を行っていまして。単なる補習ではなく将来につながる力の育成を目指しています。知恵の習得はもちろん、やり抜く力や挑戦する勇気、人と協働する姿勢といった、生きる力を育むことを大切にしているんですよ。
 
タージン 多彩な支援内容の根っこには、生きる力を育てたい思いがおありなんですね。
 
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事務局長の乾直樹氏
乾(直) その思いは理想論ではなく、こども食堂の現場から必然的に生まれました。勉強が苦手でも絵が得意な子や、プログラミングで初めて成功体験を得る子もいます。一人ひとりの可能性は違いますから、その引き出しを開けるきっかけとして支援を行っています。
 
タージン 競争させられて“できない”を思い知るのではなく、“できる”に出会える場所というわけですか。
 
乾(直) ええ。そうした小さな成功体験の積み重ねが、進路や人生の選択肢を広げていくと信じているんです。子どもたちは、きっかけさえあれば必ず変わります。私たちは正解を与えるのではなく、「やってみたい」と思える瞬間をつくる伴走者でありたい。挑戦する経験そのものが、その子の未来を形づくっていくはずです。
 
タージン 素晴らしいお考えです。学習やプログラミング、アニメイラストそれぞれにおいて、プロの方が教えてくれるそうですね。
 
乾(真) はい。現役のエンジニアやクリエイターが直接指導に当たっています。そうやって子どもたちに仕事のリアルを体感してもらうことが、未来への投資になります。ほかにも自衛隊演習の見学や手話落語、パンづくりなどの料理体験や農業体験、AEDや消火器の使い方等の防災訓練、英語教室や異文化理解の体験など、社会とつながる多様な機会も設けていましてね。地域の大人たちとも連携し、多様な価値観や働き方に触れられる環境を整えています。
 
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タージン 本物に触れると、人は変わります。画面越しでは伝わらない空気感や覚悟、情熱がある。子どもの頃にその体験ができるのは大きいですよ。社会との接点が増えることで、将来のイメージも具体的になります。
 
乾(直) 子どもたちの目の輝きが違うんです。知らなかった世界を知ることで、自分にも何かできるかもしれないと思える。そうやって自分の可能性を感じられる体験が、自己肯定感にもつながります。私たちはその小さな火種を守り、自らの意思で未来を選び取れる力へと育てていきたいのです。