障がい者を温かく見守り
自分らしい暮らしを支援
「思いやりの心」で利用者を支援

三原 前職では、利用者様の9割が重度行動障がい者という、支援が難しい環境で働いていました。とは言っても、コミュニケーションの取り方が適切であれば皆さん落ち着いて過ごしてくれるので、そこにやりがいを感じていたんです。ところが突然、運営会社が事業からの撤退を決めてしまったんですよ。そうなると、利用者様と働いていたスタッフが行き場を失ってしまう。皆さんをそのままにはしておけなかったので、独立の道を探ることにしました。
タージン それだけ責任感を持って仕事をしていたわけですね。なかなかできることではないと思います。
三原 周囲の方々が支えてくれたからこそ、前向きに動けました。その後、たまたま出会った施設の近隣の地主さんが土地を利用して建物を建てる計画があることを聞き、開業への準備が一気に進んだんです。そして、その土地にクオーレが誕生しました。
タージン そういうご縁が実を結んだのも、三原社長が利用者さんやそのご家族、そしてスタッフさんたちの不安を解消したいという思いがあったからだと思います。社名と施設名には、どのような思いが込められているんですか。
三原 クオーレは、イタリア語で「思いやりの心」という意味です。その気持ちを常に忘れずに、利用者様が自分らしく過ごせるためのサポートをしています。現在、グループホームは10名、ショートステイは2名が利用されています。重度障がいの方の受け入れはハードルが高いと言われがちですが、クオーレではそんなことはありません。「できない」ではなく「どうすればできるか」を考え、実践しています。おかげさまで皆さん、リラックスしてのんびりと過ごし、夜は安心した表情で眠ってくださっていますよ。食事面では、専属の調理師がいまして、その料理がとても好評を博しています。

三原 SNSに公開しておけば、どんなものを食べているのか、ご家族が確認できるというメリットもあります。食事は、誰もがおいしいものを食べたいですよね? だからこそクオーレでは冷凍食品やお弁当ではなく、味はもちろん見た目の彩りや栄養にもこだわっているんです。調理には妻も関わってくれていて、利用者様一人ひとりに合わせて盛り付け方などを工夫するなど、メニュー調整をしているんですよ。
タージン 毎日の献立が生活の質を決めると聞いたことがあります。利用者さんにとっても、食事の時間は大きな楽しみになっているでしょうね。