「人の痛みに寄り添いたい」が仕事の原点
インタビュアー 狩野恵輔(野球解説者)
中辻󠄀 そう言っていただけて嬉しいです。実はこの場所、もともとは祖母の家なんです。私にとっても思い出が詰まった場所で、できるだけ家庭的な雰囲気を残したいと思いました。
狩野 だから居心地が良いんですね。中辻󠄀社長ご自身も看護師さんでいらっしゃるとのことで、長年現場を見てこられたからこそ、利用者さんが安心できる“ぬくもり”を大切にされているんですね。
中辻󠄀 はい。私自身4歳のときに父が事故で亡くなり、残された家族の苦しみを見て、「人の痛みに寄り添う仕事をしたい」と思って看護師を目指すようになり、看護師としてさまざまな経験を積んできました。
狩野 訪問看護の仕事をするようになったきっかけは、何だったのでしょう?
中辻󠄀 病院勤務をしているときに、緩和ケアに深く関わるようになったことですね。患者様が「家に帰りたい」と口にするたびに、慣れ親しんだ場所で過ごすことの大切さを感じました。命の最期だけでなく、日々の生活を支える看護の形をつくりたい。そう思うようになって訪問看護ひとみるを立ち上げたんです。