B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

“人看る”温かい場所で 笑顔をつなげる訪問看護
株式会社ひとみる/訪問看護ひとみる 代表取締役 中辻󠄀美香

 
プロフィール 奈良県出身。4歳のときに父親を亡くした経験から、人の痛みに寄り添える仕事に就くため、看護師を志す。総合病院での勤務を経て緩和ケアに深く関わる中で、在宅医療の必要性を実感。母親を自宅で看取った経験を機に(株)ひとみるを設立し、2025年7月に訪問看護ひとみるをスタートさせた。人が人を見るという理念のもと、患者と家族、スタッフが笑顔でいられる地域づくりを目指している。
 
 
 
「人が人を見る」という理念を掲げ、利用者の在宅での生きる日々を支えるのが、中辻󠄀美香代表取締役率いる訪問看護ステーションひとみるだ。中辻󠄀社長は、看護師として病院に勤めたのち、地域での看護の可能性を追求してきた。母親を看取った経験から、“最期の場所”ではなく“生きる場所”としての在宅ケアを実現。スタッフの笑顔が利用者の笑顔へと広がる、温かい循環を生むチームづくりに取り組んでいる。
 
 
 

「人の痛みに寄り添いたい」が仕事の原点

 
glay-s1top.jpg
インタビュアー 狩野恵輔(野球解説者)
狩野 訪問看護ひとみるさんのステーションにお邪魔しています。温かな雰囲気の事業所ですね。
 
中辻󠄀 そう言っていただけて嬉しいです。実はこの場所、もともとは祖母の家なんです。私にとっても思い出が詰まった場所で、できるだけ家庭的な雰囲気を残したいと思いました。
 
狩野 だから居心地が良いんですね。中辻󠄀社長ご自身も看護師さんでいらっしゃるとのことで、長年現場を見てこられたからこそ、利用者さんが安心できる“ぬくもり”を大切にされているんですね。
 
中辻󠄀 はい。私自身4歳のときに父が事故で亡くなり、残された家族の苦しみを見て、「人の痛みに寄り添う仕事をしたい」と思って看護師を目指すようになり、看護師としてさまざまな経験を積んできました。
 
狩野 訪問看護の仕事をするようになったきっかけは、何だったのでしょう?
 
中辻󠄀 病院勤務をしているときに、緩和ケアに深く関わるようになったことですね。患者様が「家に帰りたい」と口にするたびに、慣れ親しんだ場所で過ごすことの大切さを感じました。命の最期だけでなく、日々の生活を支える看護の形をつくりたい。そう思うようになって訪問看護ひとみるを立ち上げたんです。