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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

溶接で広げる可能性 誠実な技術が導く未来
Weld HT Works 代表 堤寛

 
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インタビュアー 濱中治(野球解説者)
濱中 京都府亀岡市を拠点に溶接業を手がける、Weld HT Works(ウェルドエイチティワークス)さん。堤代表は15年以上にわたり腕を磨き続け、その豊富な経験を力に独立されたとのこと。まずは、これまでの歩みについてお聞かせください。
 
堤 もともとは父の会社で土木の仕事をしていました。その後、ご縁があって溶接業界に入ったんです。最初はケガをすることも多く、本当に大変でした。でも、続けるうちにやりがいを感じるようになり、気付けば夢中になっていたんです。その中で、勤め先の社長から「お前ならできる」と背中を押していただいたことが、独立を決意する大きなきっかけになりました。今でもその言葉への感謝を胸に働いています。
 
濱中 信頼してくれる人の存在は大きいですよね。私も現役時代、ケガやスランプで苦しんだときに、監督や仲間の言葉に何度も救われました。堤代表が感謝を忘れず挑戦を続けている姿に力強さを感じます。
 
堤 ありがとうございます。独立してからは責任の重さを強く感じますが、その分やりがいも大きいです。私どもは「依頼を断らない」ことをモットーに、自社工場に持ち込めない製品は現場で対応し、小さな補修にも応じています。お客様にとって「ここなら任せられる」と思っていただける存在を目指しています。
 
濱中 大小を問わず応えてくれるのは心強いですね。技術面での強みについても教えてください。
 
堤 TIG溶接や半自動溶接などの専門技術を駆使し、食品設備のシンクや水槽、オイルパンなど、漏れが許されない“気密溶接”を得意としています。アルミ溶接も難易度が高いですが、経験を活かして美しく仕上げることができます。
 
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濱中 非常に繊細な作業ですね。私の現役時代を振り返ると、バッティングフォームに「これで完璧」という答えはなく、日々の積み重ねで少しずつ上達していく感覚がありました。その意味で、溶接も細部にこだわり、常に改善を重ねる姿勢が求められる点で似ている気がします。
 
堤 おっしゃる通りです。溶接は、一つひとつの製品や作業ごとに微妙に条件が異なるため、その都度ベストを尽くすしかありません。特にステンレスは塗装をしないため、仕上げの美しさがそのまま評価につながります。そのため、表面の平坦さや角の仕上げまで細部にこだわっています。