
インタビュアー 濱中治(野球解説者)
三桝 はい。半年で10kg近く体重が減り、強い喉の渇きと倦怠感が続いていました。夏だったので水分の摂りすぎだと思っていたら、ある日昏睡状態になって救急搬送され、Ⅰ型糖尿病と診断されたんです。医師から「一生インスリン注射が必要」と告げられ、両親は大きな衝撃を受けたと聞きました。
濱中 10歳の子どもにとっても、ショックだったでしょうね。
三桝 厳しい食事制限もつらかったです。当時は「糖尿病=生活習慣病」という考えが強く、「怠けている人の病気」と見られることも多くて周りに打ち明けられない状況でした。周りのみんなと同じようにカフェに行ったりケーキを食べたり、長年病気を無視して過ごしていた結果、病気が悪化し、20代半ばで次々と合併症を発症してしまったんです。
濱中 中学生の多感な年頃なら、病気を隠したい気持ちは自然ですよ。でも、糖尿病の合併症は命に関わると聞きます。

濱中 命をつなぐ奇跡ですね。私自身もプロ野球選手としてこれからという時期に、度重なるケガに苦しみ、引退を考えたことがありました。そのとき、支えてくれたのがファンの方々です。「絶対に戻ってきて」「甲子園で待っています」という声が、再び私を奮い立たせてくれました。だから、三桝代表がお母様の思いを受けて生き直す決意をされた気持ちはよくわかります。