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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

手軽に本格的な味を実現 和だし専用の抽出マシン
WAPHO株式会社 代表取締役社長 森紋子

 
プロフィール 静岡県出身。幼少の頃より、曾祖母が本枯節を使って作る出汁に親しみながら育つ。社会人となって以降は、さまざまな職種を経験。48歳の時に大学生となり、のちにMBAの資格も取得した。その後、飲食店経営の経験を通じて、良質な出汁をより手軽に抽出させたいとの思いから、和だし専用抽出マシンの開発に着手するとともに、WAPHO(株)を設立。現在は本格的に製品を販売するため、事業展開を進めている。
 
 
 
和食の文化においてなくてはならない要素の一つと言えば、やはり“出汁”だろう。しかし、現代では昔ながらの方法で出汁を取って料理を作るという家庭は少ないのではないだろうか。WAPHO(ワフォ)株式会社の代表取締役社長である森紋子氏は、家庭でも手軽に本格的な出汁を楽しんでほしいとの思いから、和だし専用の抽出マシンを開発したという。そんな森社長にマシンの開発経緯や、事業にかける思いを聞いた。
 
 
 

幼少期から良質な出汁に親しみながら育つ

 
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インタビュアー 宍戸開(俳優)
宍戸 和だし専用抽出マシンの開発を行っておられる、WAPHO株式会社さん。御社で開発しているのは、まるでコーヒーのエスプレッソマシンのように、かつお節の出汁を抽出する製品だそうですね。
 
 そうなんです。ご家庭で手軽に、本格的な和だしを楽しんでいただきたいという思いで開発しました。私はもともと静岡県の出身でして。県内には日本でも有数の漁港が多いこともあり、幼少の頃から新鮮な魚介類や、かつお出汁に親しんできました。特に私の実家では曾祖母が毎日のように本枯節を使って出汁を取り、お味噌汁を作ってくれていたんです。
 
宍戸 本枯節といえば、カビ付けと天日干しを繰り返して熟成させた最高クラスのかつお節ですよね。幼少期から日常的においしい出汁に親しんで育ったとは、羨ましいなあ。
 
 今になって考えてみると贅沢な子ども時代でしたね(笑)。でも、私や家族、地域の人々にとっては、かつお節から取った出汁はそれほど身近な存在だったんです。ところが、近年では量産品のパック出汁や顆粒出汁などが主流になり、各家庭で本格的な出汁を味わう機会が少なくなりました。それで、日本古来の食文化が失われつつあることに懸念を抱くようになったんです。