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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

不登校の子どもたちに
希望が持てる居場所を

 

子どもたちと社会とのつながりを大切に

 
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亀山 不登校の子は全国に多いと聞きます。そうした中、フリースクールの数は足りているんですか?
 
清水 まったく足りていないのが現状ですね。全国で24万人以上の不登校の子どもたちがいる中で、フリースクールに通っているのは、ほんの1割にも満たないと言われています。
 
亀山 そんなに少ないんですか!
 
清水 だから、来てくれている子どもたちには「楽しんで笑っていたらいいよ、それが誰かの励みになるんだよ」と常に伝えていますし、できるだけ毎日SNSを更新しています。子どもたちの笑顔溢れるS-BASEという場所の情報を発信し続けることで、まだ出会えていない子どもたちの希望になればと思っています。
 
亀山 子どもたちのために、S-BASEでどんなことを大切にしていきたいですか?
 
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清水 “つながり”でしょうか。まず一つは、学校とのつながりです。担任の先生がふらりとやって来て、子どもたちとコミュニケーションが取れる場所であればいいなと思っています。二つ目は、企業とのつながり。職業体験をさせてもらうなどして、子どもたちに自分が輝ける場所を見つけるきっかけをつくってあげたいんです。そして三つ目が、地域とのつながり。例えば、釣りが得意な方や陶芸が得意な方、さまざまな特技を持っていらっしゃる方と触れ合う中で、子どもたちの世界を広げてあげたいですね。
 
亀山 S-BASEが子どもたちと社会をつなげていくんですね。
 
清水 はい。今、社会とのつながりを持つための取り組みとして、子どもたちには農業に挑戦してもらっています。生産から販売までを一貫して行ってもらい、利益を子どもたちに還元するんです。スクール代を親に出してもらうことを引け目に感じている子どもたちもいましてね。その利益で自分達の体験活動費は自分たちで払いたい! なんて子どももいるんですよ。
 
亀山 生きる力が養われ、社会の仕組みも体感できるおもしろい取り組みだと思います。
 
清水 ゆくゆくは、このS-BASEも会社化し、子どもたちが「ここで働きたい」と思ってくれるようなスクールにしていきたいと考えています!
 
亀山 ここで学んだお子さんが大きくなって、かつての自分と同じようなお子さんを助けたいと思ってくれる。そんな“つながり”の輪が大きくなっていけばいいですね。少しでもたくさんのお子さんたちが救われるように、これからも頑張ってください!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
仕事を楽しむためにも、子どもたちと関わる中で、自分の価値観をアップデートするよう意識しています。そうすることで視点も変わりますからね。これからは、未来をつくる子どもたちの感覚がデフォルト。そこに感覚を擦り合わせていくことが大事ですね。
(清水ひとみ)
 
 :: 事業所概要 :: 
  ■ 事業所名 S-BASE
■ S-BASE 1号店 〒673-0405 兵庫県三木市平田1-3-3
■ S-BASE 2号店 〒673-0403 兵庫県三木市末広2-4-12
■ 事業内容 フリースクールの運営
■ 創業 令和2年6月
■ 従業員数 9名
■ ホームページ https://www.wakuwaku-s-base.com/