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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

不登校の子どもたちに
希望が持てる居場所を

 

「学校に行かない」を選択肢の一つとして

 
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亀山 それまで専業主婦だった清水代表が、教育関連の仕事経験もなくフリースクールの運営という新しいお仕事に飛び込むのは大変だったとお察しします。やはり、お嬢さんが不登校の間に、フリースクール立ち上げへのお気持ちが強くなっていったんでしょうか。
 
清水 いえいえ、娘が不登校の間は娘と向き合うのに必死で、そんな余裕はとてもありませんでした。娘の不登校が終わって少し気持ちに余裕ができて、仕事でも始めようと思い、しばらくは障がい者就労支援施設で働いていたんです。そこで働く中で、障がい者の皆さんが生きていくにはたくさんの困難があることを知りました。いわゆる“普通”とは少し違っても安心して暮らせる優しい社会をつくりたい。そう強く思って、自分ができることは何かと人生を振り返ったとき、これなら社会に還元できると思い付いたのがフリースクールの運営だったんです。
 
亀山 なるほど、そこでお嬢さんの不登校と向き合った、ご自身のご経験を活かそうと思われたと。
 
清水 私は、不登校イコール悪いことではないと思うんです。「学校に行けない」のではなくて、「学校に行かない」という選択肢があってもいいでしょう?
 
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亀山 行けないではなく、行かない。一文字違うだけでずいぶん印象が違いますね!
 
清水 少し視点を変えるだけで、子どもたちが生きやすい環境になると思うんです。「学校に行かない」を選んだ子どもたちが、アットホームな空間でのびのびと学べる環境があったらいいなと思い、このS-BASEを立ち上げました。今は、娘もこちらで働いているんですよ。
 
亀山 素晴らしいです。お嬢さんなら、不登校のお子さん方の気持ちがおわかりになるでしょう。そして清水代表ご自身も、かつて不登校のお嬢さんと一緒に苦しまれたご経験があるわけですから、不登校のご家庭にとって、お二人の存在はとても心強いと思います。
 
清水 私自身、娘が不登校になったときには、自分の子育てが悪かったのではないかと思い悩みました。不登校になったお子さんご本人だけではなく、保護者にもしっかり寄り添い、新たな視点を提示することで、ご家族の絆を深められたらと常々考えています。