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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

訪問ケアが充実した施設
介護から医療まで対応

 

広域からのスタッフ確保と利用者拡大が課題

 
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タージン 家庭で介護に当たってきたご家族の負担を軽くすることにもつながりますね。
 
今井 その点も結明の丘の重要な役割になります。医療を必要とするため、病院退院後の受け入れ先を確保できず、ご自宅に戻らざるを得ない患者様と患者様の介護をご自宅で行うために仕事を辞めざるを得ないご家族がいるんです。国は在宅復帰へと医療の方針を定めていますが、地域包括ケアシステムには出口戦略が欠けています。ですから、当施設が病院と施設、病院と在宅の中間施設として機能すれば、病院の経営の安定にもつながり、長い目で見れば地域の医療体制を維持することにもなります。私たちは、この地域で必要な時に必要なサービスを受けることができるように、医療を必要とする方たちへ療養の場を提供することと、病院と施設、病院と在宅の中間施設としての役割を果たすことを目的にしており、次の受け入れ先の確保までお世話をさせていただいてるんです。地域包括ケアシステムの出口戦略を担うという目的を持って活動している当施設は、先進的な取り組みをしていると思います。
 
タージン 患者さんだけでなく、そのご家族や病院のことも考えた素晴らしい取り組みだと思います。結明の丘さんはオープンからそろそろ1年が経過するところで、この先の事業のかじ取りをどのように考えていますか?
 
今井 現在11名の看護職員と19名の介護職員がおり、今のところは十分なスタッフに恵まれています。名張市の人口動態を踏まえると、今後5~10年後には今以上の深刻な医療と介護の担い手不足に対処する必要があるんです。ですから、施設の経営を軌道に乗せ、職員の処遇を充実させて、広域で職員を確保することが、この地域で事業を継続させていくうえでの必須条件になります。
 
タージン なるほど。こちらのような施設を必要としている方たちへの周知も課題になりそうですね。
 
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今井 結明の丘をベースとして広域で病院などに営業を行うこと、営業範囲内に第2、第3の事業所をつくることを同時に進めていくことが必要だと考えているんです。介護は職員も利用者も地域密着ですが、医療の患者は広域に分布しています。今後は県外の中核病院の周辺の病院を営業エリアとする施設を開設し、既存の施設で患者様を受け入れていく流れをつくっていきたいと思います。
 
タージン お話を聞けば聞くほど、今井社長が挑戦しようとしていることは、これからの日本にとってすごく大切な役割だと思いましたよ。名張市だけでなく、関西、東海エリアへ、着実に事業を広げていってくださいね。私も応援しています!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
強制されて嫌々では自発的な取り組みはできません。やりたい仕事とやらなければならない仕事がありますが、やりたい仕事をやる前には必ずやらなければならない仕事を片付ける必要があります。その後にやりたい仕事を自分のペースで取り組める状況をつくることが仕事を楽しむことにつながると思います。
(今井康介)
 
 :: 会社概要 :: 
  ■ 社名 株式会社謙康会/住宅型有料老人ホーム結明の丘
■ 本社 〒518-0441 三重県名張市夏見2639番地
■ 事業内容 有料老人ホームの経営/介護保険法に基づく居宅サービス事業
■ 設立 令和3年1月
■ 従業員数 33名
■ 主な取引先 ナリコマエンタープライズ株式会社 他
■ ホームページ https://kenkoukai.co.jp/