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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

商品の安全輸送を支える
木枠梱包を担う港の大工

 

厳しい輸送環境に耐える梱包を担う港の大工

 
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石黒 お話をうかがうまで、決まったサイズの箱が最初からあり、そこに商品を入れるお仕事を想像していたんです。でも、実際の作業の様子を見てみると、一つひとつの商品に合わせてぴったりの箱をつくっていて驚きました。
 
石井 ええ。サイズのほかにも注意することがありまして。木材は湿度の影響で変形しやすいので、ゆがむことも見越して箱を組み立てる必要があります。また、コンテナ船が赤道付近を通過することもあり、商品はものすごく暑い中を運ばれていくのでカビ対策なども欠かせません。
 
石黒 経験や技術が物を言うお仕事であることが伝わりましたよ。御社のホームページにもあるとおり、まさに港の大工ですね。石井社長は17歳の頃からこのお仕事をされているとのことで、一人前になるにはどのくらいの時間がかかりましたか?
 
石井 私の感覚では7、8年でしょうか。当時は今と違って先輩の教え方も厳しかったんです。怒られなくても仕事ができるようになったのは20代半ばでした。その頃には自信を持って仕事ができるようになっていましたね。
 
石黒 私も石井社長と年齢が近いのでわかります。何かを覚える時は教えられるというよりたたき込まれる感じでした。ところで、御社で梱包し出荷している商品は主にどのようなものなのでしょうか。
 
石井 メインは某乳酸菌飲料メーカーの製造用のタンクなどです。世界各地に工場があるので、日本から共通の設備を送って設置しています。かなりの大きさなので、木枠で囲むのも大がかりな作業ですね。
 
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石黒 そうなんですね。今回のインタビューで初めて木枠梱包というお仕事を知りました。周りに同業者の会社はありますか?
 
石井 各地の港付近には梱包を専門にしている業者があるようです。
 
石黒 同業者さんも腕を競っている中で、石井商会さんの強みについてお聞かせください。
 
石井 チームワークですね。私たちの仕事はスタッフ全員で工程を分担して行うので、チームワークが必要不可欠なんです。それに、一人ひとりが責任感を持って業務に取り組んでいますし、チームとしての結束も強いんです。コロナ禍でコンテナの荷動きがストップしてしまった時期は苦労しました。今も梱包材料の高騰に直面しています。しかし、スタッフたちが材料を余さず使い切ってくれるので、コストの上昇を抑えられていることも強みですね。