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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

理念は楽しむ人を増やす
製造業のイメージを変革

 

人も道具も大事にし、こだわりを持って挑む

 

品質管理の徹底された製品が並ぶ倉庫内
鶴久 飯塚社長が、お仕事の中で大事になさっているものはなんでしょうか。
 
飯塚 製品の品質を守るためにポリシーを持って取り組むことですね。どんな依頼もそのまま受け入れるのではなく、お取引先の企業さんと一緒により良いものをつくるために協力し合うというスタイルを貫いています。そして、品質の良い製品をつくるには、従業員たちが働きやすい環境をつくるのも大事だと思いますね。
 
鶴久 なるほど。飯塚社長は現場の声もよくお聞きになるわけですね。
 
飯塚 はい。従業員たちに対してできることは、なるべくするようにしています。やはり、嫌な気持ちのまま仕事をしても良いものはつくれませんからね。また、機嫌の良し悪しで言えば、個人的には機械も人と一緒だと考えています。例えばある日、射出成型を行う機械が朝からずっと不具合が続いていたので原因はなんだろうと調べてみると、単純に汚れが溜まっていただけだったということがありました。ですから、私は機械にも感謝の言葉を言いながら拭いてあげているんです(笑)。
 
鶴久 それは私もまったく一緒ですね(笑)。レコーディング用の機材も、ほんの些細な原因でトラブルを起こすことがよくあるんですよ。ですから、機材にも愛情をもって、メンテナンスを欠かさないようにしています。例えば、ラーメン店でも、良いスープをつくるために、もし何か不測の事態があっても対処できるようにと、スープを煮込む寸胴の前を何時間もじっと構えて離れない店主さんもいますよね。ただの自己満足と言えば、それまでかもしれません。でも、私は人も道具も大事にしようという、その気持ちこそが大切だと思いますよ。
 
飯塚 本当におっしゃる通りだと思います。私も普段はあまり意識していないものの、こうして考えてみると、こだわっている部分がたくさんありますね。
 
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鶴久 こだわり抜いたうえで、良いものができると楽しいですよね。私もレコーディングをしていて、自分自身がこだわった音が楽曲にピッタリとハマった時などは、「やっぱり俺って素敵だな」と思いますよ(笑)。
 
飯塚 よくわかります。私も良い製品ができたときは本当に嬉しくて、「俺はすごい」と感じますね(笑)。
 
鶴久 音楽業界も製造業界も、世界は違えど作品をつくるうえでは同じですし、考え方はよく似てると思います(笑)。特に飯塚社長は子どもの頃からものづくりがお好きとおっしゃっていましたし、やはり良いものができたときの喜びはひとしおでしょうね!