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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

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草野さんは学生時代、我流ながらもスポーツで目覚ましい実績を残した。100m走では常に県内で1、2を争う実力。東大時代には、素人ながらも相撲の国体に出場する地区代表決定戦に参加し、優勝という快挙を成し遂げている。
 
 

運動でも考える力が大事

 
 地区代表決定戦で優勝できたのは、幼い頃から相撲が大好きだったことが大きいですね。小学5年生くらいの時は、テレビを持っている近所の友人の家に出かけて毎日相撲中継を見せてもらっていました。取り組みを真剣に見て、勝敗を分けた原因を分析する。そして、そこから得たことを仲間との遊びで試してみると、負けることはまずありませんでした。
 
 そうした経験が大学生の時に出場した国体の代表決定戦で活きたのです。前年度の優勝者だった選手に決勝戦で勝てたのも、小さい頃から培ってきた方法論を応用したからです。個人的な考えですが、スポーツの世界で結果を出し続けられる人物は体力と運動神経に恵まれているだけでなく、その競技をきちんと分析して戦略を立てられる頭脳の持ち主であることが重要だと思います。考える力こそ、実力の拮抗した世界で差をつけるためには大事なのです。
 
 
文武両道。勉学に打ち込みつつ、スポーツでも実績を残した草野さん。職業に選んだのは、キャスターだった。
 
 

志望が叶わずとも前向きな姿勢で挑む

 
 NHKに入社して配属された部署は、第1志望の取材記者ではなく第4志望のアナウンス部門。その時は驚きましたね。人前で話すことが得意でもなかったし、田舎出身の自分が標準語できちんと喋れるのか不安でした。でも、私に適性があると見込んだ方が採用してくれたわけですから、状況を前向きにとらえて頑張ることにしたのです。
 
 実習訓練を受けた後に鹿児島放送局に派遣された私は、アナウンサーとしてやりたい仕事をするにはどうすればいいのか、必死で考えながら業務に励みました。鹿児島にはロケットの打ち上げ実験をする内之浦の東京大学宇宙航空研究所(現・宇宙科学研究所)があった関係で、当時、ロケットに関する特番を放映する機会がありました。その番組の司会を務めたのは先輩アナウンサーの小谷伝さんという方だったのですが、彼は理系の大学出身者で、自分でロケットの軌道計算ができるほどの知識を備えていました。しかし、そんな小谷先輩でさえ、番組を滞りなく進めるタイムキーパーの役割しかやらせてもらえないのです。番組内で話をするのは決まって招待された専門家。小谷さんも悔しかったと思います。
 
 小谷さんは「いつか主体性を持った仕事をしたい」と頑張っていて、新人だった私もその姿勢に共感していました。ですから、アナウンサーが取材者であり、番組内で意見を話す表現者であるためにはどうすればいいのかを、常に考えていたのです。その中で、NHKのアナウンサーの仕事では、スポーツ実況ならイニシアチブを持って動けそうに思いました。だから、スポーツ実況の仕事があれば必ず「私がやります」と手を挙げるようにしたのです。
 
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