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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

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希代のレフティーが語る
組織の中で自分を活かす秘訣

 
現役時代の名波氏はチームメイトの特徴を把握し、味方を気持ちよくプレーさせることに長けていた。素早い判断で試合の展開を読み、左足から繰り出す正確なパスでゲームをコントロール。しかもそのパスは受け手のどこに、どのくらいの強さと速さで出すのか、回転はどのくらいかけるのか――。そこまで考えられたものだった。そうした彼の「繊細」とも言えるプレースタイルはどのようにして生まれたのか。味方を活かすことで自身の長所を存分に発揮する術を見出してきた名波氏の言葉には、組織の中で個人が力を出すためのヒントが隠されている。
 
 

弱点の克服よりも長所を磨き上げる

 
 初めてサッカーボールを蹴った時から、特に意識することもなく左足を使っていました。右足と比較すると左足の技術が伸びるスピードは、かなり速かったですね。使えば使うほどに上達していくのがわかった。それで、小学校4年生くらいの頃には、「俺は左足を武器にして勝負していくぞ」って決めていました。
 
 ぼくは幼い頃から客観的に自分の能力を分析し、自分にはいらないと思うものを削ぎ落としていたんです。削ぎ落とした例の一つが右足の技術を磨くこと。この話を他人にすると「子供がそんなこと考えるわけない。嘘だ」って言われる(笑)。でも、本当にそういう子供だったんですよ。4人兄弟の末っ子として、兄貴たちの行動を見ながら育ったから、自分を客観視して物事を考えられるようになったのかもしれないですね。
 
 そんなわけで、右足のシュート練習をする時も、左足でボールを蹴っていた。最初のうちはコーチに「浩! ふざけんな!」って怒られたけど、うまく蹴れていたからそのうち注意されなくなる(笑)。「あいつの場合は仕方ないな」って思ってくれたんでしょうね。
 
 プロ入りしてからもレフティーであることにプライドは持っていました。幼い頃から左足を武器にして戦ってきたわけですからね。あと、ぼくは決してフィジカルが強いプレイヤーではなかったから、そこも鍛えて磨き上げる部分ではないと割り切っていた。仮に筋トレで体重を増やしてもスピードがなくなっちゃうし、運動量が落ちてしまう。それで身体のキレがなくなると、プレーの精度まで下がるかもしれない。それなら、ベストだと思う体型でプレーするほうがいいと考えていました。つまり、弱点を克服するよりも長所を活かすのがぼくの考え方だった。その辺は子供の頃からずっと変わらなかったです。
 
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