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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

かつてのエースが辿りついた
変化しつつ輝きつづける秘訣

 
 
Jリーグ開幕2年目。まさに 「Jリーグバブル」 と呼べる時代に城氏はプロとなった。高校3年時に、高校サッカー選手権大会で母校・鹿児島実業高校をベスト4に導く活躍を見せ、複数のクラブチームが熱視線を浴びせた。そして日本サッカー界を揺るがした、ルーキーによる開幕4連続ゴール。一躍注目の的となった城氏だが、当時どんな思いでボールを蹴っていたのだろうか?
 
 

エースストライカーへの期待

 
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 当時はまさにお祭り騒ぎの状態でした。Jリーグが始まって2年目、サポーターもクラブも皆が皆、注目してくれていました。当然チヤホヤもされましたし、お金も18歳にして巨額の金額を手にしていた。でもひとつだけ変わらなかったのは 「試合に勝ちたい、そして日本代表に呼ばれたい」 という強烈な思いでした。念願の代表入りをしたとき驚いたのが、監督の要求の高さです。ただし、アトランタ五輪の監督だった西野さん(現:ヴィッセル神戸監督) にしても、“ジョホールバルの歓喜” の岡田監督にしても、目標の設定がうまかったですね。彼らは 「頑張りさえすれば必ず手が届く目標」 をコンスタントに与えてくれた。だから達成感が連続して起こっていきました。目標をクリアできなくても、「どうすれば達成できるか」 を考えて、もう一度挑むモチベーションを喚起させてくれた。会社などでもありえることですよね。営業職ならば、途方もない売り上げ目標を立てられると現実味がなくても、少しだけ高い目標であれば届く気がする。だから頑張れる。そのように達成感と次のやる気を連続してもたらすことは、一つのチームを大きな目標に向かわせるうえで非常に大事なことです。
 ただし、環境を与えられるばかりでいては、チームの中で成功できません。まずは監督が何を求めて、何を考えているのかを自分から理解すべきです。その監督はどういう監督で、どんな美学をもって指導しているのか。そうしたものをすべて吸収して、確実にこなしたうえで、今度は少しずつ自分を出していくことが肝心です。私の経験では、途中でいなくなっていく選手の大部分がそこで躓いていたように思います。特殊なスキルを持っていても、発揮できる土台がないと足元がグラついてしまって、本来の実力は出せないはず。与えられた環境の中で、監督(上司) の求めるものを理解してクリアし、そして自分を出す。そのようなプロセスが必要だと考えます。
 
 
 
代表にせよJリーグにせよ、継続して活躍を続ける裏にはモチベーション管理も必要になってくる。サッカー選手のように勝敗や選手の入れ替えが頻繁に行われる世界では、特にモチベーションのアップダウンは激しい。城氏は、厳しい環境下でどのようにモチベーションを保っていたのか? また彼のエネルギーの根源となるものは何だったのだろうか?
 
 

何のためにサッカーをしているのか

 
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 どんな職業であれ、「何のために仕事をしているのか」 を自分で理解することは、とても大事なことだと思います。まず生活を支え、それができて初めて別のやりがいを見出せるというのが、大部分の方の 「仕事」 のありようでしょう。それはその通りで、私もサッカーという 「仕事」 を通じて、生活を豊かにすることを望んできました。豊かにするというのは、つまりは 「欲」 を持っているということです。高い車が欲しい、旅行に行きたい、モテたい・・・ 何だっていいんです。欲に向かっていくからこそ、モチベーションが湧き起こる。欲は、「夢」 や 「目標」 と言い換えることもできます。言葉でどう定義してもいいんです。「自分が欲しているものにどうやって向かっていくか」が重要なのですから。
 企業の社員だったら、契約社員から正社員になって、より高い給料をもらえるようになりたいと思うでしょう。そして評価されてお金をもらえると、自信がつき、自分が望むことを実現しやすくなる。それって、実に正しい筋道なんですよね。サッカー選手でいえば、「欲」や「夢」に忠実に向き合えるかどうかで、平凡な選手で終わるか、注目される活躍をするか、大きな違いが出てくると思うんですよね。
 モチベーションというのは個人の力量を伸ばしていく栄養剤のようなもので、その栄養剤が腐ってしまう精神状態にならないことが重要です。たとえばステップアップと逃避を勘違いしてしまうと、モチベーションは腐りやすい。最近、日本でも転職市場が活性化していますよね。サッカーでいえば移籍のようなものです。でも、移籍先を選ぶのに、「遊びたいから移る」 とか 「今の会社よりも楽だから移る」 という逃げの姿勢では、きっと伸びていかないと思うんですよね。
 
 
 
 

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