亀山　そうなると、歌う曲は三宅代表の専門でもあるゴスペルが中心になるのですか。
 
三宅　ゴスペルに限らず、童謡なども含め前向きになれる曲をチョイスしています。日本の宗教観は独特で、“人の死を語る”のはタブーとされてきました。ですから“死”について目を背け、向き合うことを避けがちだと思います。私は、日本人が悲しみを内に秘めてしまうのはそうした影響も少なくないと思っているんです。
 
亀山　私はどうしても男性側、夫の視点で見てしまいます。最近は多様性を認める方向に社会が進んでいますよね。しかし子どもに関しては、やはり“お腹を痛めて産んだ”というところで男女には思いの差が生まれてしまうと思うんです。もちろん、子を亡くせば男性もつらく悲しいけれど、日常生活を送るために前向きにならざるを得ない部分もあると思うんですよね。心身共に悲しんでいる女性にとっては、「あなたは悲しくないの？　平気なの？」という思いを抱かせてしまうかもしれません。
 
三宅　難しいところです。でも、パパだってつらいのに、あえて悲しみにフタをしてしまっているんだと思います。ですから、男性にもありのままの心で参加してほしいですね。私自身、悲しい経験をして命に向き合い、今は何とか元気にやっています。今苦しんでいる皆さんの心をケアし、「大丈夫だよ、今後の人生も楽しめるよ」と伝えたいんです。今後は「グリーフケアマルシェ」などのイベントに参加し、ちょっとした相談やセラピーの体験などができるブースを設け、全国各地で活動を周知していくつもりです。
 
亀山　素晴らしいです。それに加えて、ラジオのパーソナリティも務める予定だと聞いていますよ。