B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

子を亡くした親を支える 音楽療法のグリーフケア
Sing for my Angel 代表 三宅美佳

 
glay-s1top.jpg
インタビュアー 亀山つとむ(野球解説者)
亀山 大阪府吹田市にある、お子さんを亡くされたパパ・ママ向けのミュージックサロンSing for my Angel(シングフォーマイエンジェル)さん。音楽講師である三宅代表は歌うことを通じて、悲しみを抱える遺族の方々に寄り添うグリーフケアを実践されているそうですね。
 
三宅 はい。私は今、3人の娘のママとして忙しいながらも元気な日々を送っています。ただ実は、初めての娘を病気で亡くし、流産も経験したんです。当時は、「私は母親になれないのかな」と悲しみに暮れる毎日でした。そんな私を助けてくれたのが音楽であり、歌うことでした。この経験を活かし、お子さんを亡くした方々が前向きになれるお手伝いをしたいと思ったのが、当サロンのはじまりです。
 
亀山 ご自身も悲しみを乗り越えた経験があるからこそ、同じ境遇の方々を応援したいと感じたわけですね。
 
三宅 はい。人って、本当に悲しいと話す気力もなくなってしまうんです。世の中には当たり前のように子どもを授かっている人がいるのに、自分の子はもうこの世にいない。この悲しみは親や兄弟姉妹、友だちにもなかなか打ち明けられません。皆さん、自分の何が悪かったのかな、とご自分を責めるんです。
 
亀山 確かに悲しいという感情は、なかなか他人に打ち明けることはできないですよね。
 
glay-s1top.jpg
三宅 ええ。ですから、無理に話す必要はないと思っています。当サロンも、胸の内を話す場ではなく、皆さんとただ一緒に過ごすことで、悲しみを共に受け止める場所でありたいと思っているんです。そして、少し心が落ち着いてきた方には、思いを歌詞にしてもらって既存の曲に乗せて歌ってみる。実際に歌った皆さんは涙を流しながら「自分はこんなに悲しかったんだ」とおっしゃいます。それが、歌によって自らの悲しみを認め、心を開放し笑顔を引き出すレッスンになるんです。
 
亀山 同じような思いを持つ皆で、悲しみを共有することが心のケアとなるわけですね。
 
三宅 はい。私は「輝けミセス!」をコンセプトに20年間、悲しいときも楽しいときもゴスペルを歌い続けてきたので、その素晴らしさを知っています。そうした経験を活かして、皆さんをサポートしたいんです。