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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

異業種や現実の世界にも 
ゲームシナリオの活用を

 

ゲーム的手法の利用がビジネスを成功に導く

 
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水野 ゲームが現実に役立つというお話をもっと詳しく聞きたいです。何だかすごく楽しそう。
 
加藤 身近なところでは、ポイントカードがわかりやすいでしょうか。それほどお得でなくとも、ちょっとしたご褒美があるとやる気になることってありますよね。それと同じで、あるビジネスを進めるチームの一体感を高めたいなら、小目標、中目標と段階的に難易度の高い課題を設定して、ゲームのクエストをクリアしていくように「1つ達成したらこれだけ売り上げが上がりますよ」とか、「もっと大きなビジネスに打って出られるようになりますよ」とか──でも実を言うと、チームを強力に推進させるためには“楽しみとしてのゲーム性”だけでは少し馬力が足りなくて、そこに隠し味としてストーリー性を持たせることが効果的なんです。
 
水野 おもしろいですね。ゲームを社会に向けて利用することって、ゲーム業界の外側、例えば広告業界とかから出てきそうな発想だと思います。それを、ゲームシナリオのプロが目指すところに新鮮さを感じますよ。──ところで、加藤代表はシナリオ制作のお仕事のどんなところにやりがいを感じますか?
 
加藤 私はネットワークゲームが大好きです。同じ作品を同じ時間に、世界中の何千人、何万人という人が遊んでくれて、イベント期間にお祭り状態になっているのを見ると、すごくありがたく感じます。それだけ多くの人々がゲームを通じて物語を共有してくれたということですから。同じように、歴史シミュレーションやRPGのような“大勢のキャラが動かす物語”が大好きです。なので、メインキャラだけでなく、名もない村人たちの時代設定を考える、一般に“世界観設定”と呼ばれる仕事などに一番やりがいを感じます。
 
水野 それは共感できます! 私も、村人の設定がつくり込まれていると注目してしまいますね(笑)。最後に今後の目標、乗り越えるべきクエストについて教えてください。
 
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加藤 私はこれまで多くの作家さんたちに支えられながら、シナリオディレクターというお仕事をしてきました。これからは、その御恩を返すためにも、若い作家さんたちを育て、コンテンツ業界と結ぶ存在になれたらと思っています。制作の面では、“ゲームと現実世界へのリンク”が目標ですね。一つはARやGPSといった“現実世界を遊ぶゲーム”であり、もう一つがゲーミフィケーション、“ゲームを通じて、現実世界の何かを好きになってもらえる”ような、新サービスやコラボ企画などを進めていきたいと考えています。
 
水野 私は「世の中すべてがゲームみたいに楽しければいいのに」と思っているので、御社のこれからが楽しみです。頑張ってくださいね!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
私がSE、あるいはシナリオディレクターとしてずっとやってきたことは“有用だが無味乾燥なシステムに、物語を与えて楽しくする”こと。それは実は「仕事を楽しむこと」そのものだったんですね。今回の対談を通じて、初めて知ることができました。ありがとうございます!
(加藤進幸)
 
 :: 会社概要 :: 
  ■ 社名 合同会社東京物語工芸社
■ 本社 〒161-0032 東京都新宿区中落合3-1-17 富士ロイヤルコーポ302
■ 事業内容 ゲームシナリオ企画・制作
■ 設立 平成30年8月
■ ホームページ http://to-mo-ko.net