B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

異業種や現実の世界にも 
ゲームシナリオの活用を

 

SEが“飽きの来ないゲーム”をつくる土台に

 
glay-s1top.jpg
水野 よくわかりました! 御社はゲームのプレーヤーと一緒に旅する“添乗員さん”を創造しているのですね。
 
加藤 ええ。その中で私は、シナリオライターさんのための制作進行や、プログラムの現場でシナリオをゲームに即した内容に実装する部分などを担当させていただいてます。
 
水野 教えていただいたゲームシナリオの役割を踏まえて、加藤代表が目指す優れたゲームシナリオとはどのようなものでしょうか?
 
加藤 やはり“ゲームの楽しみ方が自然に伝わる物語”に尽きる思っています。読んで感動して終わりではなく、そのゲームを好きになってほしい。“飽きの来ないゲーム”と評価していただければ一番嬉しいですね。
 
水野 なるほど。ゲームシナリオ制作に携わるうえで、SEの経験はプラスになっていると思いますか?
 
加藤 ええ。私は20代の頃、ゲームとは無関係のいろいろな業界でコンピュータシステムを導入するプロジェクトに携わっており、SEとしてたくさんの経験をさせてもらいました。ゲームシナリオを設計する際、そうした経験の蓄積があるから広い視野に立って考えられるという面はあると思います。
 
glay-s1top.jpg
水野 例えば、どのような形で役立っているのでしょう?
 
加藤 “ゲームの楽しみ方が自然に伝わるような物語”をつくるのは、難しそうに思われるかもしれません。でも、実はそれほど特別なことではないんです。何か商品やサービスを体験してもらうための紹介にストーリーテリングの手法を使うのは、ゲームに限らずどの業界でも同じですよね。例えば、おいしい料理を食べてもらうために、飲食業の人たちがどれほど知恵をしぼっているかを考えると、業界は違っても参考になることがたくさんあります。
 
水野 確かに。ゲームと畑違いの業界も参考にできるのは1つのアドバンテージですね。
 
加藤 逆に最近では“ゲームを現実世界の問題解決に役立てること”も広く行われています。いわゆる「ゲーミフィケーション」という考え方ですね。これはゲームデザインの手法をゲーム以外に利用するというもので、東京物語工芸社では今後、シナリオの面からゲーミフィケーションを提案していくつもりです。