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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

家の注文から完成まで
全段階での顧客満足を

 

お互いを信じるから最大の力が発揮できる

 
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イラストと実際の内観。顧客にも喜ばれている
鶴久 現在は施工のマネジメントもされているとのことで、そのノウハウはどうやって培ったのですか?
 
阿部 設計事務所の次に勤めた地元密着型ビルダーでの経験です。そこで、施主様がどんな思いで家を建てられるかを知りました。お客様との触れ合いにより、図面作成にも、また新たな気持ちで取り組めましたね。
 
鶴久 曲づくりのモチベーションが、歌い手を知っているかどうかで変わるのと同じですね。その会社では、どんな仕事を任されていたのですか?
 
阿部 23歳で設計部門の管理者となり、以来そこのリーダーを、15年間任せてもらいました。今思えばありえない人事ですよね。その会社の社長は、それはそれは破天荒な方でして(笑)。
 
鶴久 設計部という社の要に、なんという大胆な抜擢・・・。その期待に、阿部社長もよく応えられましたね。
 
阿部 年間30棟ほどだった実績を、10年で100棟を超えるまでに成長させました。その間、デザイン賞受賞や雑誌掲載などもあり、中でも、お客様や現場の職人さんたちとの関係の大切さについて学べたことが何よりの財産ですね。若造の私を包容力で支え、信頼してくださった社長には心から感謝しています。
 
鶴久 ご自身の努力はもちろん、その努力をする機会を与えてくれた人との出会いが、現在の阿部社長の礎になっているんですね。
 
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阿部 仕事は出会いや縁があってこそですから。特に建築は、現場の仲間がいないと成り立ちません。設計図の意図を汲んで形にする職人さんと、職人さんの技量や限界を把握して図面に起こす設計士がいて、初めて良い家が建つんです。設計士や職人はバンドの仲間なんだと、私は矢沢さんと彼の所属したバンド・キャロルから学びました。そこに気付いてから「どうすればチーム内で解釈の相違が起きないのか、どう話せば簡潔かつ適切に伝わるのか」などを考えるようになったのです。
 
鶴久 パフォーマンスを発揮できる環境整備ということか。そこに社長自らが取り組まれるっていうのがすごいです。失礼ながら、一級建築士って「先生」と呼ばれて居丈高な印象がありまして。
 
阿部 とんでもありません(笑)。私たちが施主様に思い切った提案ができるのも、優れた職人さんがいるからなんですよ。