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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

心に残るデザインで
園づくりをサポート

 

デザインで思い出をかけがえのないものに

 
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ずっしりと重みを感じられる金属製のメダル
水野 安い物には安いだけの理由があるのと同じで、高い物にはそれだけ高い価値があるものですよね。商品や広告の場合でも、デザインを通してその会社の方針や考え方などが垣間見える時があって、質の良くない商品や広告を出している会社だと、「それ相応の会社なんだな」という目で見てしまう。だからブランディングって大事だと思います。
 
中島 そうなんですよね。そのお話で思い出したのですが、私はこの会社に入る前、幼稚園に勤めていまして。実はその園の送迎バスは、父が代表だった当時に、当社が手がけたものだったんです。ロゴマークをあしらったデザインだったので、園児からすれば、自分の園のロゴマークが生き生きと走っているわけです。それはかつて園で働いた職員にとっても同じで、見かける度に園での思い出や頑張っていた自分を思い起こさせてくれる、いわば「栄光の印」のようなもの。そのことに、退職してから気付くことができました。
 
水野 それはきっと、卒園児たちにとっても同じだと思います。例えば成長してから、何かを目にした瞬間に幼い頃の記憶が甦ることってありますよね。卒園生もバスを見る度、園を懐かしく、そして誇りに思うはず。
 
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中島 そうですよね。また当社では、運動会で園児に渡す「メダル」の制作もしています。絵本作家で有名なレオ・レオニさんや五味太郎さんをはじめ、メダルデザインを手がけてくださった方々が、当社の趣旨に賛同してくださり、十数年にわたりコラボレーションが実現してきました。デザインが素晴らしいのはもちろんのこと、金属製なので品質も優れているんです。紙製の手づくりメダルも良いのですが、紙ではどうしても劣化してしまいますから。
 
水野 確かに、金属製のほうが質感もいいし、ずっと大事にしようって思えますよね。
 
中島 以前、ある幼稚園の運動会を見学した時に、園児の1人がメダルを手に「やった! これで3つめ!」と喜んでいるのを目にしました。聞くと、年少・年中の時に手にしたメダルも全て「宝箱」に大切にしまってあるそうなんです。
 
水野 大喜びしている子どもの様子が目に浮かびます。物が溢れた現代にあっても、そうした記念の品を大事に思う気持ちは変わらないですよね。