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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

住人の価値観をも
変える気付きの住宅

 

なぜオーガニックハウスなのか

 
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名高さんが訪れたオーガニックハウスのモデルハウス
名高 オーガニックという言葉は食品や化粧品などで用いられていますが、「オーガニックハウス」というのは初耳です。
 
仁藤 オーガニックハウスは、1900年頃にアメリカの建築家であるフランク・ロイド・ライトにより提唱された有機的建築です。フランク・ロイド・ライトは、日本では旧帝国ホテルや自由学園明日館などを手がけた人物で、彼が遺した作品は国の指定重要文化財となっています。
 
名高 有機的建築とおっしゃいましたね。有機栽培という言葉があるように、地球や人に優しいというイメージがします。
 
仁藤 有機的建築とは、時代に適し、土地に適し、人に適している家という理念です。私たちはこれまで、多くの住宅を手がけてきましたが、近年「本当にお客様にご満足いただけているのだろうか」という疑問を感じていました。もちろんこれまでも、お客様と綿密な打ち合わせをし、ニーズをくみ取り、高品質な家づくりを行ってきたのですが、流行や他社との競争にとらわれすぎていなかっただろうかと。
 
名高 確かに、建築デザインには流行り廃りがありますね。10年前には斬新なデザインと言われていた建築物でも、今見ると違和感を覚えることがあります。
 
仁藤 そうなんです。当社は2013年よりオーガニックハウスづくりに取り組んでいるのですが、それ以来、目指すところができ、迷いがなくなりましたね。実は、このモデルルームに来られたあるお客様が「私たちの家づくりは間違いだったことに気付いた。できればオーガニックハウスに建て替えたいくらいだ」とおっしゃったことがありました。聞けば、注文住宅で築1年程だそうで。
 
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名高 建てて1年で後悔・・・? いったいどんな家をお建てになったのでしょうか。
 
仁藤 それが、訪問客は一様にデザインの素晴らしさをお褒めになるそうですから、素敵な家なのでしょう。でも、「格好いいのと住み心地がいいのは違う」とおっしゃるんですよ。
 
名高 なるほど、合点がいきました。一時、華美なデザイナーズマンションが流行りましたが、斬新な色使いで見映えはよくても、毎日そこに住むとなると絶対に飽きるだろうと私は思っていたんです。色だけでなく、シルエットだとか、その方は居心地ではなく、デザイン性を求めすぎたんですね。