B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 愛媛県出身。10代半ばから塗装業界に入り、下積みを経験する。映画やCMのセット塗装に携わり色調合の腕を磨いた修業期間を経て、1974年3月、外壁・屋根塗装、防水工事などを手がけるペイント倶楽部を開業。完全自社施工による低価格と一流職人による確かな塗装技術は、真心のこもったサービスとして厚く信頼されている。【ホームページ
 
 
 
四季の変化や大雨、大雪、強い陽射し。さらに酸性雨や紫外線、湿気など建物の劣化を速める外からの脅威は数多い。そうした脅威から住居を保護するにはどうすればよいのか――。「家を守るうえで塗料が果たす役割は非常に大きい」と語るのは武蔵野ペイント倶楽部の池内明代表だ。40年以上、塗装業一筋で歩んできた経験を活かして駆使する刷毛や色調合の腕は他の追随を許さない。だが、何よりも大事なのは技術を活かすための「ハート」であると言う。
 
 
 

塗装一筋に歩んできた真っすぐな道

 
140702_k1802_S2_g01.jpg
インタビュアー 鶴久政治(ミュージシャン)
鶴久 武蔵野ペイント倶楽部さんは外壁・屋根塗装、防水工事などを手がけているそうですね。池内代表はこの道40年の大ベテランだそうですが、おいくつの頃から塗装の世界に?
 
池内 故郷の愛媛県にいる頃からすでに塗装に携わり、15歳で大阪に出まして。大阪でも他業種には目を向けず、ひたすら塗装の下積みを重ねる毎日でしたね。当時の職人さんは厳しかったですよ。最初は先輩の身の回りの世話ばかりでした。現場では道具を片付け、帰ってくると刷毛を洗う日々。言わば小間使いでした。
 
鶴久 音楽の世界も昔はそうでしたよ。憧れのミュージシャンに弟子入りしても最初は楽器に触ることさえ許されず、運ぶだけ。レコーディングスタジオに入れないから音も聴けない。そういう期間の中で、私たちに本当にやる気があるかどうか師匠は試すんです。1年以上辛抱して、やっとチャンスが与えられるという世界でした。下積み時代、辛くて逃げ出そうと思ったことはないですか?
 
池内 はい。とにかく塗装で一人前になりたかったから、辛さは全く感じなかったです。見習いの頃は空いた時間に水で壁を塗って刷毛の練習をしていました。
 
鶴久 それはすごい! 月明りで本を読んで勉強したという、二宮金次郎みたいだなぁ。