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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

不安が現実になる前に
心の闇を法の光で照らす

 

依頼者にとってのベストを探る

 
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小柳 素晴らしい集中力ですね。私もダンスの振り付けを本番前の数時間で覚えることがありますが、そういう時こそ、何倍もの集中力が働きますよ。普段はどのような業務をなさっているのですか。
 
橋本 不動産や法人などの登記申請代理や遺産相続、借金問題対策関連業務などを中心に財産管理業務、中小企業支援業務等も幅広く手がけております。
 
小柳 業務にあたり、橋本先生が心がけておられることを教えてください。
 
橋本 私にとって100件ある依頼のうちの1件であっても、お客様にとっては生涯に一度のご依頼となるケースがほとんど。ですから依頼者の立場に立って、私のすべきことを考えています。
 
小柳 そのお気持ち、よくわかります。私も、自分にとってステージに立つことは日常ですけど、お客様の中には私のステージを初めて観るという方も大勢いらっしゃいます。やり直しは決してできないからこそ、全てのステージを 「一生に一度」 の覚悟で演じているんです。
 
橋本 さすがですね。私の場合、小柳さんのように多数の観客を相手にするのではなく、1対1の関係であることがほとんど。一つひとつの案件に真剣に取り組み、気持ちを共有しようとするあまり、まれに依頼者と同化してしまうこともあるんですよ。
 
小柳 感情移入して物事が客観的に見られなくなる恐れがあるのですね。私も若い頃は役柄に入り込みすぎて、演技が独りよがり、自己満足になってしまったことがありました。でも今は、常に自分を冷静に俯瞰するもう1人の自分を持つようにしています。クールな自分がいるから、シーンごとにお客様を引き寄せたり、落ち着かせたりといったリードが可能になるんですよね。若い頃はそれができなかったけど、努力を積むうちにできるようになりました。
 
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橋本 お客様を導くことが大事だということですね。ぜひ参考にさせていただきます。実は依頼を請けるにあたり、お話を聞いていると、まれに真実とは異なるであろう状況を話す方がおられましてね。そのような時でもばっさりと切り捨てるのではなく、その方が真実を曲げて話さなければならなくなった理由は何か、背景に何があるのかを考えるようにしています。そうすれば、心の奥底にある本当の闇から依頼者を救い出してあげることができるかもしれませんから。
 
小柳 そのためにも、感情移入しないようにしながらお客様の心を覗く必要がある、と。なるほど、バランス感覚が問われる難しいお仕事ですね。