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こんにちは、佐藤勝人です。さあ12月だ。今年はいろいろあったね。あり過ぎたぐらいだ。でも、コロナ禍の影響も春先から数えたら第三波、三回目だ。まともな経営者ならもう対応できてなくちゃいけない。いつまでも「ウイルスのせいだ~」って甘えてると置いて行かれちゃうぞ! 新年は気持ちを変えて迎えようね!
 
 

「変わることはできる」を示した
ショッピングセンターPIOの奇跡

 
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「奇跡のショッピングセンター」こと
ショッピングセンターPIOのメイン入口
だって、できないことはないんだよ。私の支援先である岐阜県郡上地域のショッピングセンターPIOなんて、商圏人口がたった6000人。典型的な中山間地の商業施設。なのにこのコロナ禍にあっても全店が業績を維持し、年商は20億円、年間購買者数は100万人を超えている。先月YouTubeの「佐藤勝人」チャンネルで「奇跡のショッピングセンター」として紹介したから、思い出す読者もいると思う。
 
地方では商店街の集まりみたいな食品スーパーを核としたネイバーフッド型ショッピングセンター(以降NSC)がたくさんある。そういうNSCは鉄道会社が所有・運営する大都市のリージョナルSCと違って、共同組合みたいな組織で所有・運営している場合が多い。私が初めてPIOの指導に入ったのは8年前、ちょうど立ち上げ世代が70代に差しかかる頃だった。
 
当時は彼らとその息子たちの世代にコミュニケーションが成り立っていなかった。立ち上げ世代は息子たちのやる気のなさを愚痴るだけ、息子たちは「親父のやり方は古い」って文句を言うだけ。私は「どっちのせいだっていう話じゃないでしょう!」と叱って、まず息子たち世代に稼ぎ方を教えた。数字が変わったら彼らのやる気に火が付いたから、そのタイミングで立ち上げ世代に引いてもらって、今は息子たち世代がNSCの代表を務めている。
 
私がPIOのことを外の人に話すようになったのは一昨年だったかな。代替わりの際に、市長も金融機関も全部集めた記念式典が催された。その基調講演で私は言った。――「PIOはこれからも変わり続けます。そして、申し訳ないけどこの町は『ある意味日本の縮図』です。ここが成功しなければ日本は終わり、逆に、ここが成功したら日本中のどこのNSCでも再生できます。この町がこれから日本の商業のあり方の基準になります。頑張りましょう!」
 
だって6000人の町で年間購買客数100万人というのはやっぱり“奇跡”だよ。ちなみにその100万人のうち観光客は1割未満。9割は地域のお客さんだ。2日に1回はみんなが買いに来る計算だから、コロナ禍でも売り上げが落ちるどころか逆に、週末名古屋に行ったり岐阜市に行ったりしなくなったぶん売り上げが上がった。もしこれが、地域密着型NSCのあり方を早々に諦めて観光客向けの商売にシフトしてしまっていたら、こうはならなかったと思う。
 
 

4タテで負けた巨人軍
間違ってはいない、けど・・・

 
PIO は自らが変わって成功した例。反対に、変えなかったせいで散々な結果に終わった最近の例の代表が、我が読売巨人軍だ。ソフトバンクホークスに4タテ!? それも2年連続って、何やってんだっての!
 
結果を受けて多くの解説者が指摘したのが「セリーグ野球の限界」だ。私は自分のYouTubeチャンネルで、それに加えてもう一つ、「携帯ショップVS新聞販売店」という図式を指摘した。新聞は落ち目で携帯会社が伸びている、あれと同じだ、という話をしたところ、普段の20倍以上のアクセスがあった。みんな興味があったんだね。
 
それで思い出したんだが、昔ソフトバンクがダイエーからホークスを買うときに、孫正義さんが「我々は福岡からメジャーに行きます」と言ったんだよ。メジャーリーグのワールドシリーズに一枠もらって、日本シリーズの勝者がそこに入って本当の世界一を決める、みたいな趣旨のことを。
 
そこからソフトバンクホークスが始めたのが「前提を疑う」ということだった。「メジャーリーガーにはフィジカルで勝てない」という日本球界の前提を疑い、捨てた。それによって、まず投手については、「時速140 km/h出たら一応速球派。プラス、打者との駆け引きとボールの出し入れで打者をかわす」という固定観念をなくさせた。制球も駆け引きも大事だが、それ以上にパワーで打者をねじ伏せる発想で投手を育て上げた。シリーズ初戦で勝ち投手になった千賀は最速161 km/h、平均でも153 km/hのストレートを投げる。そして育成枠の出身だ。
 
打者についても、ホークスの選手は下位打線でも強くバットを振る。下位打線はバットに当てて出塁することが仕事と考えるセリーグの打者とまったく違う。そもそも、解説者も言っていたけど、ホークスのバッターは巨人のバッターより一回り体つきが大きい。ウェイトトレーニングで筋肉を太くしているんだ。だから試合を見ていると、巨人はまるでメジャーのチームと戦っているみたいだった。
 
私は巨人が間違っていたと言いたいのではない。ただ、巨人に代表されるセリーグの野球は「弱者の戦略」だ。強い相手の足元を掬って勝つために、緻密かつ精巧なプレーの積み重ねを良しとしてきた。お茶の間でビールを飲みながらテレビ観戦する昭和のおじさんたちもそういう野球を好んできた。巨人軍はそんな日本野球の盟主として君臨し、日本球界を率いてきたわけで、その功績は称えられるべきだ。
 
 

変化に対し「大丈夫」と断言した落合
経営者も固定観念を捨ててビジネスに臨め!

 
でもねぇ・・・、今回見ていて、「弱者の戦略は10年持たないんだな」と思った。だってホークスが孫さんに買われて「めざせ世界一!」というスローガンを掲げたのが2005年だよ。それからほんの十何年で、「球界の盟主」のスモールベースボールが、球界の「外」を見ていたパワーベースボールに、圧倒されてしまったんだ。トップが見ている世界が違えばこうも現場が変わるのかと思ったら、経営者として、考えさせられたよね・・・。
 
そういえば2010年代の前半、ダルビッシュ有とか田中将大ことマー君とか元ヤクルトスワローズの青木宣親とかが相次いでメジャーに移籍して、日本球界の衰退が不安視されたことがあった。そのときに、落合(編集部注:元中日ドラゴンズ監督の落合博満氏)が「大丈夫ですよ」って言ったの。選手はごまんといるから、って。
 
当時は意味がわからなかったけど、今思うと、落合は野球界全体を俯瞰してそう言っていたことがわかる。つまり、甲子園や六大学の実績がなくても、いわゆる野球エリート以外でとんでもない身体能力と野球センスを持った「個人」がいっぱいいることを、落合は知っていたんだね。たまたま指導者に恵まれないとかチームが弱いとかで埋もれているすごい素材がいくらでもいるから心配ない、という意味だったんだ。はたしてホークスの現状はまさにそれだ。先にも言ったように、千賀なんか育成選手だから。“甲斐キャノン”ことホークスの甲斐拓也正捕手も、同じく育成選手だからね。
 
2020年最後の連載は「変わる」ということについて、ショッピングセンターPIOとソフトバンクホークスの例で語ってみました。皆さんの奮起を期待します! 良いお年を!
 
 
■12月22日とちぎ勝人塾リアル 
https://fb.me/e/cMkHNWHSy
 
■12月25日佐藤勝人の超実践オンラインセミナー
https://bit.ly/37R2A4n
 
■1月13日・14日おかざき勝人塾
事務局 岡崎商工会議所
https://www.facebook.com/events/731754207379995/
 
■ニューノーマル時代に向かってお客さんを知るから次の手が打てるヒント満載
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■佐藤勝人YouTubeチャンネル登録ヨロシク
https://www.youtube.com/channel/UC4IpsvZJ6UlNcTRHPgjellw
 
■講演・セミナー依頼のお問合せは
katsuhito@satocame.com
 
 
 
繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート
vol.50 地方のショッピングセンターとソフトバンクホークスを例に、「変わる」ということについて

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ株式会社・代表取締役副社長/日本販売促進研究所・商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司・チーフコンサルタント/作新学院大学・客員教授/宇都宮メディアアーツ専門学校・特別講師

 経 歴  

1964年栃木県宇都宮市生まれ。1988年、兄弟とともに家業のカメラ店をカメラ専門チェーン店に業態転換させ、商圏をあえて栃木県内に絞ることにより、大手に負けない経営の差別化を図った。以来、「想い出をキレイに一生残すために」というコンセプトを追求し続けて県内に18店舗を展開。同時におちこぼれ社員たちを再生させる手腕にも評価が高まり、全国から経営者や幹部リーダーたちが同社を視察に訪れている。2015年からはキャノン中国とコンサルティング契約を結び、現場の人材育成の指導にあたる。主な著書に『売れない時代はチラシで売れ』『エキサイティングに売れ』(以上同文館出版)『日本でいちばん楽しそうな社員たち』(アスコム)『一点集中で中小店は必ず勝てる』(商業界)『断トツに勝つ人の地域一番化戦略』(商業界)など。新刊の『モノが売れない時代の「繁盛」のつくり方』(同文舘出版)が好評発売中。

 オフィシャルサイト 

http://satokatsuhito.com/

 オフィシャルフェイスブック 

https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts

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(2020.12.16)
 

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