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コンビニジムって何?

 
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国民にフィットネスを勧める1963年の米政府公式ブック
コンビニジムが増えています。コンビニジムって何でしょう?
 
昔ファミマが「あなたとコンビに。ファミリーマート♪」というCMコピーを発明したときはあまりに響きが自然すぎて、「コンビに」を普通に「コンビニ」だと思って聞いていました。コンビニジム、いかにも語呂がいいですよね。
 
コンビニジムはその名の通り、コンビニ感覚で利用できるジムのこと。2010年代後半から台頭してきた、従来のスポーツクラブやジムより料金が安く、24時間営業で、ガチで鍛えるというより体を動かす目的で利用するのに適したフィットネスジムの総称です。日経トレンディの昨年12月号では「2023年ヒット予測ランキング」の1位にコンビニジムが予想されました。
 
代表的なブランドとして、RIZAP運営の「ちょこざっぷ」や、スポーツクラブ「ジョイフィット」の孫ブランドに当たる「FIT365」があります。また、セントラルスポーツの子ブランドである「セントラルスポーツジム24」が提供する「ジム24h」のように、従来からのブランドが一部の店舗で最安コースとして提供するパターンもあります。
 
 

コンビニジムの共通点

 
一番の大手はやはりちょこざっぷです。ちょこざっぷは2022年7月に1号店をオープンし、2023年3月までに全国300店舗を展開する目標を掲げていました。目標は479店舗であっさり達成。今や全国に880店舗を展開しています(8月15日時点)。都市部に限らず地方の郊外にも出店する勢いです。
 
ちょこざっぷを例にとってコンビニジムの共通点を整理すると、
・料金は月額3000円前後~高くても税抜き4000円まで
・マシン特化型で24時間営業
・大体はセルフ(トレーナーなどスタッフがいない)
・入退室はスマホアプリなどで行う
・外履きのまま、着替えないままで利用可
ということになりそうです。
 
ちなみにこのちょこざっぷ、1号店がオープンする数ヶ月前(2月?)から「fit field24」というブランド名で先行展開していました。ただ、店舗展開は5月の連休頃でストップしたようです。また、同じ5月頃からは「ZAPAN」という別ブランドも開始。3ブランドとも仕組みは一緒で、入会等手続きはスマホアプリで完了し、入会金を払うと体組成計機能付き体重計とスマートウォッチ(血圧や運動時間などの活動量計)が送られてきて、後は月額料金2980円のみで何回でも利用可能というものです。無料セルフエステ機を置いた個室を設けて女性会員を取り込もうとする点も同様です。
 
 

小規模ブランドが目白押し!

 
fit field24はちょこざっぷ開始から約1年後の今年6月4日に、ZAPANは7月1日に、ちょこざっぷに統合されています。両ブランド合わせても45店舗だったので(fit field24は23店舗、ZAPANは22店舗)、統合されてもちょこざっぷの店舗数の伸びにさほど貢献したわけではありません。
 
また、圧倒的物量作戦で広告展開し、店舗もそれに負けないペースで増やすことで「コンビニジム=ちょこざっぷ」という刷り込みが確立しそうになっていますが、この業態自体は特にRIZAPの専売特許ではありません。実際に、例えば「24時間 セルフ ジム 安い」といったキーワードで検索してみると同じ業態のブランドがたくさんヒットします。
 
それらの中から、コンビニジムと呼ぶには月額料金が高すぎるものを除くと、例えば京都大学の学生がスタートアップで始めた「LifeFit」は31店舗展開しています(近日オープン予定も含む)。静岡県で地場展開(1店舗のみ埼玉県)する「コレジム」は12店舗です。都内のみの展開ですが「24GYM」は13店舗です。
 
また、先にあげた「セントラルスポーツジム24」の最安コース「ジム24h」は、21店舗のうち対応しているのは8月末時点で蕨店、平塚店、実籾店の3店舗のみですが、これは考えようによっては3店舗展開している孫ブランドとも言えます。この形態の利点は、損益点をにらみながら、一定以上のニーズが現れた地域には順次広げていけること。ジム24hの場合はマックス21店舗まで行けますね。
 
以上は先にあげた共通点を全部備えるブランドですが、中・高・大学生と60歳以上のシニアのみコンビニジム価格で利用できる「FORBES 24h fitness」は、愛知県で10店舗を地場展開しています(1店舗のみ岐阜県)。
 
また、価格帯の縛りは堅持しながら営業時間は妥協してもいいなら、岐阜県可児市に本部のある「アクトスWill_G」は全国に125店舗展開しています。最初に紹介したFIT 365も全国に111店舗あります。
 
アクトスWill_Gは平日10時~22時というかなり割り切った営業時間ですが、コンビニジム全体がこれからそうなってくると予測される、そしてちょこざっぷもそちらに振ろうとしているらしい「シニア向け特化型ジム」としてならば、むしろこれくらいの営業時間にしたほうが、将来的には、あるいは地方部ではすでに、正解かもしれません。
 
ちなみに「シニア向けならもっと朝早くから営業しないと。年寄りは朝早いから」と思うのは皆さんが現役だからで、シニアになると朝10時くらいになって体温が上がってからでないと、負荷をかける運動(散歩より強い運動)はとてもとても、危なっかしくてやれません。
 
 

広大な未開拓市場にたくさんの島宇宙

 
フィットネス業界紙『Fitness Business』によれば、日本のフィットネス人口は一昨年でまだ4%足らずです。アメリカはフィットネス参加率20%だそうで、RIZAPの瀬戸健社長は『Business Insider Japan』のインタビューに答えて「潜在的な需要は間違いなくある。誰もが『運動はやっぱり必要だ』と思っているはずなので、パイの奪い合いとは全く思っていない」と話しています。
 
コンビニジムというジャンルが消費者の間で確立した後は、そもそもが差別化しにくいジャンルで究極的には立地ビジネスですから、似たような店舗が複数あれば近いほうに行くだけのこと。とすると、どのブランドが先に立地を押さえるかの競争になるわけで、ちょこざっぷが2026年までに2000店という目標を掲げているのも納得です。
 
しかしまたいっぽうで、差別化しにくいジャンルだからこそ、運営側が「こんなことが?」と思う要素が立地+αのアルファにハマって利用者に支持される展開が起こり得ます。数は少ないでしょうが、少ない顧客でもやっていける業態であることがそこで活きます。
 
いろんなブランドがひしめいて、それぞれに支持されて。みんなで健康になれたらいいですね。
 
(ライター 横須賀次郎)
(2023.9.6)
 
 

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