インタビュアー 濱中治(野球解説者)
林 こちらは、ドイツの「PROBAT(プロバット)」社製の本格的な焙煎機です。ここは就労継続支援B型事業所で、これまでの就労経験などを通じて精神的な不調を抱え、一般企業で働くことが難しくなった方などが利用されています。利用者さんには、生豆の焙煎からコーヒー豆やドリンクの提供、接客まで、さまざまな仕事を担当していただいているんです。
濱中 福祉の事業所でありながら、本格的なコーヒーショップの仕事を経験できるんですね。林代表は、以前は異業種で働かれていたとうかがっています。福祉のお仕事に転向されたきっかけは何ですか?
林 二人目の娘が先天性の心臓病を患い、生後3ヶ月で亡くなりました。その経験は、私にとって本当に辛いものでした。同時に、「子どもたちのために何かできることをしたい」という思いが強くなり、子どもに関わる事業を始めようと考えたんです。その過程で、放課後等デイサービスを運営されている方と出会い、2013年に事業所を立ち上げました。現在は西宮市の今津と甲子園で児童デイサービスのぞみを運営しています。
濱中 お子さんへの思いが原点だったのですね。その後、こちらの就労支援事業を始められたと。
林 はい。西宮市、神戸市などで人気の自家焙煎のスペシャルティコーヒー専門店を展開する友人の協力を得て開業に至りました。濱中さん、ぜひコーヒーを召し上がってみてください。

林 そうです。おかげさまで、障がい者の技術向上や雇用をつくることを目的として行われているバリスタ競技の2025年大会では、「JAL賞」およびブレンド審査で全国1位に輝きました。こうしてコーヒーや福祉事業を通じて、利用者さんの個性や価値を引き出して、ワクワクするような未来をつくっていきたいですね。
濱中 お話をうかがって、利用者さんだけではなく、そのご家族や周囲の方々も一緒に幸せになっていく、温かくて素晴らしい取り組みだと感じました。今後も笑顔の輪をつないでいってくださいね。
「仕事を楽しむ」とは‥
やりたいことをやり切ってから天寿を全うしたいと思っています。天国で娘と会った時に、「パパ、たくさんの人を喜ばせたね。かっこ良かったよ」と言ってもらいたいんです。それを目標に邁進するのが、仕事の楽しみかもしれません。
(林 尚志)
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