インタビュアー 嶋大輔(タレント)
髙林 動物病院に行きたくても行けない飼い主様がいらっしゃるからです。ご年配の方や妊婦さん、お身体の不自由な方など、ご自身で車を運転できない方も少なくありません。動物の性格や病状によっては移動そのものが負担となり、病状が悪化してしまうケースもあります。そのような方々のお力になりたくて、こちら側からうかがう往診という形を選びました。
嶋 キャリーケースに入ってくれない、飼い主さんにお子さんがいる、免許を返納しているなど、さまざまなケースがあるでしょうね。
髙林 特に高齢や慢性疾患の動物にとっては、車移動が強いストレスになることもあります。でも住み慣れた環境で受診できれば、かなり負担を軽減できるんですよ。ワンちゃんネコちゃんの普段の様子を確認できることも、大きなメリットです。
嶋 なるほど、往診だからこそ見えてくることがあるわけだ。
髙林 実際の生活環境や食事の状況、ご家族との関わり方など、病院ではわかりづらい情報がたくさんあります。そうした背景を含めて診ることで、より良い治療やケアの提案につながるんです。
嶋 飼い主さんにとっても、ご自宅のほうが時間を気にせず相談しやすいかもしれませんね。
髙林 ご相談で多いのは、「先生だったらどうしますか」という質問です。お気持ちはよくわかるのですが、あくまでも獣医師としての視点から選択肢を提示し、それぞれのメリット・デメリットをお伝えするようにしています。

髙林 例えば、少しでも長生きを目指す治療を選ぶのか、苦痛をできるだけ少なくして穏やかに過ごすことを優先するのか。どちらが正しいということではなく、ご家族それぞれに価値観がありますから、その思いを尊重することが大切です。難しい判断にはなりますが、しっかりお話を重ねて十分ご理解いただき、納得してご選択いただけるよう心がけています。そのためにも私自身、常に新しい知識や技術を学び続けていますね。


