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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 
演劇に感じる魅力は、初めて舞台に立ったときから変わらないという別所さん。俳優という仕事に持っているモチベーションにも変化はないのだろうか。
 

出会いというかけがえのない財産

 
俳優として活動を始めた頃の喜びや感動が、まだ僕の体のどこかにちゃんと残っているんですよね。その喜びや感動がずっと変わらずモチベーションとなっています。また、近年はコロナ禍の影響で、多くの舞台上演や、映画の撮影が無期延期になりました。演劇を観られない、演じられないという状況になったときに、「本当に芝居が好きなんだ」とあらためて感じましたね。コロナ禍で、芝居に対するエネルギーは増したかもしれません。
 
僕が長年俳優として活動を続けられたのは、良き縁に恵まれたからです。出演のお話をいただけるのはとてもありがたいことですし、提示された日程に時間を空けられるかどうかというのは、巡り合わせですからね。そういった巡り合わせが重要な中で、仕事を続けてこられたことに、感謝しかありません。
 
アメリカではよく、「大事なのはKnow HowではなくKnow Who」だと言います。どんな業種でも、ノウハウを磨くのは当たり前のことですよね。ただ、人との出会いは自分の思う通りにはできないものです。日本でも「金持ちより人持ち」と言うように、出会いという財産はかけがえのないものだと思っています。
 
出会いは自分で思う通りにはできないものの、僕は自分からいろんなところに足を運ぶように意識しています。ただ待っているのではなく、出会いを求めて行動することが大切ですね。その中で気付いたのは、同じ業界の人と会うだけで事足りるということはなく、まったく俳優とは関係のない場所にこそ、新しい発見や刺激が隠れているということです。
 
 
別所さんが俳優デビューした当時は、「俳優として一本道を真っ直ぐ走っていく」という認識が一般的だったという。その中で、別分野への挑戦も多かったと語る別所さん。そこでの出会いが、現在にもつながっているのだという。
 

先入観があるものにこそ発見がある

 
俳優として、寄り道せず芸を極めていくという考え方はとても素晴らしいと思います。ただ、僕はラジオのナビゲーターなどを経験させていただく中で、さまざまな発見と出会いがありました。『ある馬の物語』で演出をされている白井さんとも、ラジオの仕事がきっかけで出会ったんですよ。
 
芝居とはまったく関係のないお仕事をされている方が、とても映画に詳しかったり、持っている価値観が僕の考えるエンターテインメントと通ずるところがあったりと、俳優とは別の仕事にチャレンジしたからこそ得られたものが多くあります。そういった発見があると、本当に嬉しく感じますよ。
 
また、俳優はどんな経験も自分の血と肉になるものです。だから、興味のあるところにはまず足を運んでみることが大切です。今日は僕が取材される立場ですけど、逆に取材したいくらい、いろんな方の考え方を知りたいと思っています(笑)。
 
ただ、自分の興味のある分野にだけ挑戦することもまた違うと思っています。勝手な先入観を持って遠ざけてしまっているものってありますよね。実は、そういったものにこそ新たな発見があると思っているんです。僕の中でその最たる例は、ショートフィルムでしょうね。