インタビュアー 濱中治(野球解説者)
山田 大学卒業後は東京の着物販売会社に就職し、営業として経験を積みました。その後、結婚して5人の子どもを育てながら、友人の誘いでヘルパーの学校に通って資格を取得しました。少しでも社会の役に立てればという軽い気持ちでしたが、実際に訪問介護ヘルパーとして働くうちに、見えてきたことがたくさんあったんです。
濱中 興味深いお話ですね。どのような気付きだったのでしょう。
山田 私は人と接することや家事も好きだったことから、ヘルパーの仕事に就いた時に「自分に合っているな」と感じました。高齢者や障がいのある方のお手伝いを通して、ご本人はもちろんのこと、ご家族にも笑顔になっていただける毎日に大きな喜びを感じました。独立したのは、介護保険では制度上お断りしなければならない利用者様の要望が多くあることがもどかしくて、でもそれらが生きる喜びや心の豊かさにつながるものばかりだったからです。だからわくわくの業務は一般的な高齢者サポートではありません。介護保険では叶えられない高齢者の本当にやってほしいことや、やりたいことを柔軟にサポートすることなんです。

山田 ヘルパーが行う介護保険サービスには細かなルールがあるんです。例えば、ご自宅のお掃除はできますが庭の草むしりはできません。近所のスーパーには行けますが、嗜好品の買い物はできませんし、行きつけの喫茶店に行きたいといった希望は叶えられません。それは、これらが生活維持に直結しないためヘルパーはお断りするしかないんです。でも、ご本人が気になっていることを解消し、やりたいことをサポートしたり行きたいところに行けたりしたら、生活に潤いや張り合いが生まれて皆さん生き生きされるんです。
