インタビュアー 畑山隆則(元ボクシング世界王者)
藤岡 ご自宅へうかがい、日々の暮らしをお手伝いしています。基本的にはケアマネジャーさんからのご紹介で、食事や入浴を助ける身体介護や、お掃除・買い物などの生活援助が主な仕事ですね。ただ、介護保険の制度内だけでは病院内の長い付き添いや細かな家事などには対応できないこともあり、そうした制度の隙間にある困りごとも支えられるよう、自費でのサービスも導入したところです。
畑山 制度の枠を超えて寄り添ってくださるのは、ご家族からすると心強いと思います。そもそも、藤岡代表はどのような経緯で福祉業界に入られたのでしょう。
藤岡 祖母が認知症を発症したことがすべての始まりでした。大好きな祖母が変わっていく姿を前に、どう向き合えばいいのかわからない戸惑いがずっとありました。でも、逃げずに理解したい、支えたいという思いが強くなり、特別養護老人ホームで働くことを決めたんです。
畑山 実際の介護現場は、想像以上に過酷だったのでは?
藤岡 そうですね。排泄にまつわるトラブルなど、教科書には載っていない厳しい現実に向き合う毎日でした。それでも真っ直ぐに向き合ううちに「なぜ、そのような行動に至るのか?」という探究心が芽生えたんです。認知症といっても症状は人それぞれ。画一的ではなく、一人ひとりに合わせて対応する大切さを、身をもって学びました。

藤岡 確かに、私一人では難しかったでしょう。前職からの同僚でサービス提供責任者を務めてくれている藤田や、私の母、そして夫の強力な支えがあったからこそ成し得たのだと思います。ちなみに、社名のLOULUはハワイ語で「成功」、事業所名のLUANAは「満足」「皆で楽しむ」という意味があります。スタッフも利用者様も、家族のようにリラックスして過ごせる関係を築きたいという願いを込めました。