
インタビュアー 濱中治(野球解説者)
後安 いえ。以前は、大手印刷会社に勤め、主に企業の販売促進に関わる仕事をしていたんです。やりがいを持って働く中で、同時期に社会保障の課題に触れる機会があり、今後のキャリアについて考えるようになりました。子育て中の私は、次世代に何か残せるような仕事をしたいと思うようになりました。そんなとき、老人ホームを経営している企業から転職スカウトがありまして。これはもう縁だと感じて入社を決めたんです。転職し、介護に関する知識・技術を学んだ後、2024年に独立しました。
濱中 実際、福祉業界に勤められて、いかがでしたか?
後安 BtoBだった前職と違い、老人ホームはダイレクトにユーザーの声が聞けるので、何よりご利用者様との会話が楽しい仕事だと感じました。それに私は、根っから人が好きなんだと思います。利用者様とのコミュニケーションを通して、一人ひとりの人生を感じられることもおもしろいですね。

後安 そう言っていただけて嬉しいです。どんなご相談でも、お話をたくさん聞くことを重視しています。以前、ご自宅にスカイラインという車の写真を飾っている利用者様がいらっしゃいましてね。認知症の症状で怒りっぽくなっていたんですが、スカイラインの話題になるととても喜んでくれて、快く話を聞いてくれるようになったという事例がありました。そのとき、認知症だからコミュニケーションが取れないと決めつけるのではなく、利用者様の人生にいかに寄り添い、リスペクトをもって接するかで関係性も変わると実感したんです。