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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

伝統的な大工の技を駆使
伊賀の町並み保全に尽力

 

30周年のロゴで業界のイメージを変えたい

 
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小倉 小林社長のお話は感心することばかりですよ。その情熱の源泉はどこにあるのでしょう。
 
小林 私は、51歳になった2024年現在も、大工の仕事が楽しくて仕方ありません。特に、親戚が大勢いたことから開業した伊賀市には昔ながらの家屋が軒を連ねています。そのような住まいをリフォームし、お客様に喜んでいただけた瞬間は大きな喜びを感じるんですよ。
 
小倉 私の亡くなった父も伝統工芸・伊勢型紙の職人でした。日本ではさまざまな職人がものすごい勢いで減っていますが、このまま技術を途絶えさせてほしくはありません。大工さんも同じで、小林社長の経験値を生かし、職人を育て文化を継承してもらいたいですよ。
 
小林 もちろん私もそのつもりです。在来工法の大工も、若い担い手がどんどん減少しており、職人不足が続いています。それでも弊社は、これまでに何人ものスタッフの独立を後押ししてきました。実は今も、大手ハウスメーカーから受け入れた大工を育てているんですよ。
 
小倉 それは珍しいケースではありませんか。どのような経緯だったのでしょう。
 
小林 一流の大工になるには生きた木を触らなければ。そう考えた若者が修業のため弊社にやって来たんです。現在、半年ほど経ち、ずいぶんさまになってきたところですよ。やはり、好きな仕事だから一生懸命に勉強するものなんですね。
 
小倉 つまらないと思ったり、言われたことだけをやったりする姿勢では技術も身に付きませんからね。ただ、少し自信がついてきた段階で、世の中には自分よりすごい人がいくらでもいるということも学んでもらわなければいけませんね。ところで、株式会社小林建築さんのロゴがずっと気になっていたんです。とてもおしゃれで印象に残ります。
 
小林社長の大工歴30周年を記念して制作されたロゴ
小林社長の大工歴30周年を記念して制作されたロゴ
小林 ありがとうございます。一昨年、私の大工歴30周年を記念して制作しました。伝統的な技術を大事にしながらも、枠にとらわれないブランディングを意識したデザインで、業界のイメージを変えていきたいんです。
 
小倉 古き良き部分を大切にしながらも、未来に向かって柔軟に変化しつづけておられるのですね。お客さんもその姿勢には安心されると思いますよ。
 
小林 そうだと嬉しいですね。私はお客様の趣味嗜好を把握して施工するスタイルを徹底していまして。建築・インテリア・家具の雑誌や書籍からアイデアをインプットし続けています。