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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

「えんぴつはかせ」で 書写の楽しさを伝える!
えんぴつはかせ/alive書写教室 代表 松井敬子

 
プロフィール 東京都出身。4歳の頃から書道の稽古を始め、小学2年生のときに良き師匠と出会い、書写一筋で打ち込む。2001年に地域の幼稚園から園児への指導を依頼され、幼稚園で書写指導をしながら2002年にalive書写教室を開校。書写指導ツール、えんぴつはかせの開発など、さまざまな工夫を凝らしながら書写教育に取り組む。文部科学大臣賞をはじめとして大会入賞者を数百名輩出。(一社)全国書写書道教育振興会で理事を務めるほか、日本書写書道検定委員会では全国大会手本揮毫者、武庫川女子大学の建築学科では非常勤講師としても活動している。【ホームページ
 
 
 
文字を正しく読みやすく書く書写。alive(アライヴ)書写教室を運営する松井敬子代表は、4歳で始めた書写に打ち込み2002年にalive書写教室を開業。そのきっかけは、幼稚園からの「子どもたちにひらがなの書き方を教えてほしい」という依頼だった。この依頼に応え多彩なアイデアを盛り込んだ幼稚園専科課外プログラム「えんぴつはかせ」を開発。リズムで正しい書き順や美しい文字の書き方を学ぶという画期的な仕組みで更に2018年に「クラウド版えんぴつはかせ」も開発。全国の幼稚園に広まっている。
 
 
 

幼稚園で始めた書写で一番になろうと決意

 
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インタビュアー 山田勝己(タレント)
山田 兵庫県芦屋市でalive書写教室を運営し、書き方教材「えんぴつはかせ」の開発者でもある松井代表。まずは、松井代表と書写の出会いを教えていただけますか。
 
松井 東京都台東区で生まれた私は、その後2歳半で東京都昭島市に転居し、4歳のときから書道のお稽古を始めました。はじめは近所の先生に書道を習っていたのですが、特に書道が好きというわけではなくて。週に一度、教室で1時間程度書いたら先生に朱で丸をいただいて帰るというよくある書道教室に通っていました。そして、小学2年生のときに母が新聞の広告に載っていた美しい文字に心奪われたことから、その教室をたずね、私の道を決めることとなる師匠との出会いがあったんです。師匠のもとで学ぶ小学生の先輩たちは、とても見事な字を書いていました。その輝くような存在に大きな刺激を受けた私は、毎日、放課後になると師匠の教室で書写を習うようになり、「絶対に全国大会で一番になる」と決意し、毎日夜遅くまで練習して、いつも終電車に乗って帰り、学校が休みの日は教室に合宿までするほど書写にのめり込みました。
 
山田 子どもの頃から打ち込めるものを見つけたとは、とても幸せなことですね。
 
松井 おっしゃる通りです。師匠は、書写の普及活動で全国を飛び回っていました。私も小学4年生で指導者のライセンスを取得し、師匠について席書といってみなさんの前で書を披露したり、指導をしたりと全国に毎週のように連れて行っていただくのが楽しかったことが思い出されます。
 
山田 小学4年生にして指導者のライセンスを取るとは驚愕ですね! その後の歩みが気になります。
 
松井 大学は、縁もゆかりもない関西に進学しました。それまでは書道一筋だったものの、新たな環境で自分にできることを探そうと思ったんです。調理師や宅地建物取引主任者の資格を取り、能、華道、茶道、着付け、お菓子づくりを学び、さらにランドスケープデザイン(造園)の大学にも通いました。しかし、書写を越えるものは、なかなかみつけられなかったんです。
 
山田 その閉塞感を打ち破ったのは、やはり書写だったのでしょうね。
 
松井 そうなんです。2001年に、今もお世話になっている幼稚園から「書き方を教えてほしい」とご連絡をいただきました。園児に正しく美しい文字の書き方を教えるのは至難の業。保育士さんの苦労は並大抵ではありません。私は子どもたちに楽しみながら書くことの実力をつけてもらうため、多くの方の導きで書写の世界に引き戻されたんです。