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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

不登校の子どもたちに 希望が持てる居場所を
S-BASE 代表 清水ひとみ

 
プロフィール 大阪府出身。娘の8年間にわたる不登校生活を支えた後、障がい者就労支援施設で6年間勤務する。障がい者が直面するさまざまな困難を目の当たりにし、優しい社会をつくるために自身ができることをと考え、フリースクールS-BASEを立ち上げた。不登校の娘と向き合った経験を活かし、常識や固定観念にとらわれない、不登校児の居場所づくりに情熱を傾けている。【ホームページ
 
 
 
「家か、学校かの二択ではなく、フリースクールという第三の居場所があることは、子どもたちにとってとても大切なこと」。S-BASE(エスベース)の清水ひとみ代表はそのように考えている。不登校で悩むのは、子どもたちだけではない。周囲の人間も同じように悩み、苦しみ、葛藤を抱えている。清水代表は、子どもたちとその家族に徹底的に寄り添う。不登校の子どもと家族にとって、S-BASEは“希望の場所”なのである。
 
 
 

きっかけは8年間続いた娘の不登校

 
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インタビュアー 亀山つとむ(野球解説者)
亀山 今日はこちら、フリースクールのS-BASEさんにお邪魔して、お子さんたちの元気いっぱいの笑顔を見て私も元気をもらっている気がしていますよ。清水代表は、これまでずっと教育関連の仕事をされていたのでしょうか。
 
清水 いいえ、結婚してから、ずっと専業主婦だったんですよ。
 
亀山 意外ですね! となると、フリースクールを始めようと思われたきっかけは何だったのですか?
 
清水 娘の不登校ですね。小学校3年生から高校2年生までの間、学校へ行ったり行かなかったりと、不定期ではあるものの不登校でした。私は学生時代、ソフトボールに熱中していましてね。スポ根バリバリで、「すべて気合と根性で何とかなる!」と思ってきたんです(笑)。それが、娘が不登校になったことで、自分ではどうしようもないこともあるんだと思い知らされました。
 
亀山 当時はさぞお辛かったでしょうね。
 
清水 ええ、昔は子どもの行く場所と言えば学校一択でしたからね。でもあるとき「この子の居場所をゆっくり見つけていけばいいんだ」と、ふっと肩の力が抜けたんです。
 
亀山 その当時の切実な思いが、今につながっているんですね。