B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

科学の視点でミスを防ぐ
労働安全コンサルタント

 
 
glay-s1top.jpg
畑山 注意力が欠如し、イレギュラーな事態に対応しづらいと?
 
濵口 その通りです。最近の講習では、大学病院で手術患者を取り違えてしまった例を挙げ、コミュニケーションエラーについてお話ししました。途中でいぶかる職員もいたものの、手術後に担当医師が気付いて発覚した事例です。職場の立場に関わらず「おかしい」と言える環境なら、防げたかもしれません。
 
畑山 こちらのホームページを拝見したところ、別の検証結果も紹介されていました。仕事の成果が良いのは、意外にもミスが多いグループだったと。
 
濵口 ええ。些細なミスも報告しやすい職場ゆえ、成果を上げられたんです。そのグループは何かが起きる前のヒヤリハットを大事にしていますし、ミスがあっても報告し合うので次に活かせるわけです。畑山さんも現役時代はミスパンチがあったでしょう?
 
畑山 もちろんです。試合プランを立ててもその通りにはいきません。でも、ミスが出たときは都度アジャストしていました。それができる選手こそプロだと思います。
 
glay-s1top.jpg
濵口 同感です。何が起きても柔軟に対応できる姿勢を、心理学用語でレジリエンスと言います。安全対策は、マニュアルを四角四面に遂行するだけではダメなんです。レジリエンスが組織や企業に求められています。
 
畑山 そういったアドバイスの結果、企業が変化するとやはり嬉しいですか?
 
濵口 やりがいを感じます。ただ一筋縄ではいかなくて、熱中症教育を毎年行ってもなかなか覚えてもらえません(笑)。ですから、講義後すぐに試験をするようにしています。
 
畑山 アウトプットで血肉化してもらうんですね。
 
濵口 はい。試験結果は数値化して蓄積し、データとして役立てています。そうしたエビデンスによる安全コンサル、すなわち“安全を科学する”を実践し続け、企業の健全な事業運営に貢献していきたいです。
 
畑山 安全管理を可視化する、素晴らしい営みですね。経営者の方々には、安全を科学に置き換えられる点を広く知ってほしいです。本日は、ためになるお話をありがとうございました。
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
自身が怪我をした経験から、自分と同じ思いをさせないためにどうするか、それが仕事の形になっています。
(濵口敦)
 

:: 事業所情報 ::

濵口労働安全コンサルタント

〒651-1432 兵庫県西宮市すみれ台3-3-8

ホームページ
https://anzenpro.jp/