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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

顧客ファーストの精神!
手頃な価格のイチゴ狩り

 

車椅子のままでもイチゴ狩りを楽しめる

 
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岩崎 れいわイチゴ園が開業するまでの経緯を、あらためて教えてください。
 
栗原 私は22歳の時に、父が経営する物流会社に就職しました。そこでは主に食品類の運送業務を手がけており、次第に食品メーカーさんや生産者さん、販売業者さんとのつながりができていったんです。その関係もあり、スーパーなどに卸す野菜のパック詰めなどの加工業務も行うようになりました。そして、野菜の取り扱いに関するノウハウを得たことで、今度は野菜の栽培に挑戦すべく新規事業を立ち上げ、2013年にトマトの生産を開始したんです。その後、さまざまな野菜の生産を試した末、イチゴ園のオープンに至りました。それが2019年、ちょうど令和元年だったんですよ。
 
岩崎 なるほど、それでれいわイチゴ園という名称なんですね! 「れいわ」とひらがなで表記しているのも、柔らかくてかわいらしい印象を受けました。
 
栗原 当園は、お子さんはもちろん、老若男女問わず誰でも楽しめて喜んでもらえることをコンセプトにしています。ハウスも一般的なビニールハウスのイチゴ畑と比べて内部が広くなっており、例えば車椅子の方でもそのままイチゴ狩りをお楽しみいただけますよ。
 
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岩崎 畑やビニールハウスというと、土のイメージがあります。でも、先ほど見学したこちらのハウスは地面がコンクリートで靴や服も汚れないですし、車椅子の方でも入れるつくりになっているのは素晴らしいですね!
 
栗原 ありがとうございます。当園では養液栽培という方法でイチゴを生産しています。これは土を使わずに、栄養を含んだ培養液を与えることで栽培するものです。養液栽培にはいわゆる水耕栽培と、土の代わりに培養液を含んだ繊維などを利用する固形培地耕栽培があり、当園のイチゴは後者の栽培法を用いています。ですから、人が移動するスペースを広く確保できますし、土にも触れないので衛生面でも優れているんですよ。
 
岩崎 ほかにも、土でつくる従来の栽培法との違いがあれば教えてください。
 
栗原 私自身は土で栽培した野菜や果物は味に深みがあると思うものの、土は土壌の栄養バランスを保つのが難しく、その時々の自然環境にも左右されやすいんですよ。条件がうまく噛み合った時とそうでない時で、味にもどうしても差が生じてしまいます。一方で、養液栽培ならば、味に関してある程度の高い水準を保ったまま、安定的に栽培できるのが大きな特長ですね。