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  • 月刊ブックレビュー vol.60 『知ってはいけない現代史の正体』 評者の学生時代、世界史の授業は、もちろん1年かけてやるわけですが、古代四文明から中世、近世、近代ときてちょうど第一次世界大戦あたりに差しかかる頃、絶妙に3学期末試験が押し迫り、先生たちは決まって「あとは教科書を自分で読んどくように」とお茶を濁して授業を終えたものでした。

  • 月刊ブックレビュー vol.59 『「地図感覚」から都市を読み解く ――新しい地図の読み方』 本書に関しては素直に、「はじめに」の引用から始めるのが良さそう。4ページにこうあります。
    「地図が読み解けるようになると、どんなことが得られるのでしょうか。
    ・理想の住環境や街、日常生活が地図から選べるようになる。
    ・ビジネスを始めようとするとき、どこが適切か地図からわかるようになる。
    ・都市がこれまでどのように発展し、今後どのような展開になっていくか見通せるようになる。」(P4)

  • 月刊ブックレビュー vol.58『悲観する力』 本稿を執筆するタイミングで評者は、地元の友人たちとやるクローズドな花見の会の幹事的な役をたまたま引き受けました。朝のランニングを日課にしている仲間が見つけた場所の桜の、開花状況が気になります。週間天気予報に一喜一憂します。前々日になれば時間ごとの降水確率までわかるので明後日の当該時間帯の予報を確認し、当日の段取りをグループLINEで相談します。クローズドな会なのに意思表示しないメンバーや、後から「無理かも」と言い出すメンバーに苛立ちつつ、前日の午後3時4時にはとりあえず段取りを決めて共有し、日が落ちて夜になる頃には「もう知らん! どうにでもなれ」と捨て鉢になる自分を持て余し、NHKニュース7のお天気キャスターが「それでは3時間ごとの雲の動きです」と示す等圧線図の変化を、無味乾燥な気分で眺めます(今ココ)。

  • 月刊ブックレビュー vol.57『NOロジック思考 論理的な考え方では、もはやこの時代に通用しない!』 今回の本に関しては筆者はもしかしたら適切な評者ではないかもしれません。元になった連載コラムに担当編集として関わった当事者だからです。あれから約2年。当時第一読者として毎月拝読していた原稿がこのように大幅加筆され日の目を見たことを嬉しく思うとともに、客観性公平性を担保するうえでは自分より適格な評者がいるだろうに、と後ろ指をやんわりと背中に感じつつ、今回の評は書くことにします。

  • 月刊ブックレビュー vol.56 『領土消失 規制なき外国人の土地買収』 「抑制の利いた、どこにも煽情的要素がない文章で、空恐ろしい事実とその背景への分析が、つづられていく本。」――と、わざとvol.38と同じ書き出しにしてみます。この本も、あのとき取り上げた『人口減少時代の土地問題 「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ』と同じ問題意識で読むことができるからです。ご面倒でなければ、今回の評はvol.38と一緒にお読みいただければと思います。そして、あの本と同じようにこの本も、本気で、心底お勧めします。

  • 月刊ブックレビュー vol.55『機会損失 「見えない」リスクと可能性』 いきなりこんな解説をすると著者と版元に怒られそうですが、“読み解く”という意味では、本書は
    ・「はじめに」
    ・第Ⅰ部第2章第二節あたりまで
    ・第Ⅲ部末のミニコラム「ノート2 私の個人的な経験」
    の3つを読めば、エッセンスはつかめると思います。目次的な構成はともかくメタレベルの構成としてはこの3つが幹であり根であり、大部分のその他は枝葉です。核の部分だけ読みたい人、とにかく時間がないから極力短く済ませたい人は、この3つを押さえればたぶん大丈夫。求めるものは得られます。

  • 月刊ブックレビュー vol.54『東大院生が開発!頭のいい説明は型で決まる』 久しぶりに実用書をと思い、取り上げた一冊。著者でビジネスセミナー講師の犬塚壮志氏は元駿台予備校の化学科講師です。ちなみに駿台予備校は講師に採用されるのが業界で最も難しいそうで、そこで著者は当時最年少の25歳で採用されて教壇に立ち、同校の講義用テキスト、模試の執筆、カリキュラム作成にも携わったとか。経歴からは、現在テレビで活躍中の林修氏が思い浮かびますね。

  • 月刊ブックレビュー vol.53『外国人が見た日本 「誤解」と「再発見」の観光150年史』 まず「はじめに」からエッセンスを引用。長くならないよう適宜中略します。
    「自分たちの魅力は、本人自身では分かりにくい。外国人旅行者のほうでも見たいものがいろいろあり、時代とともに変わってきたもの、変わらないもの様々である。日本人には観光地として思いもよらなかった場所で、外国人によって「発見」された日本の魅力も数多い。歴史を俯瞰することにより、訪日外国人の今後、日本の本当の魅力が見えてくる一助に必ずなるはずである。」

  • 月刊ブックレビュー  vol.52『意識の川をゆく 脳神経科医が探る「心」の起源』 解説付きの書籍を取り上げるのは久しぶりでしょうか。もしかして、新しいシリーズになってからは初めてかもしれません。本書は2015年夏に82歳で亡くなったイギリス人の脳神経科医オリヴァー・サックス氏の、医学/科学エッセイを集めた最後の本。「はじめに」によれば、全10章の大半は老舗文芸誌『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』に寄稿されたもので、それらを著者が自らセレクトし、亡くなる2週間前にアシスタントたちに出版を託して生まれた一冊といいますから、普段の本と違う緊張感を感じます。

  • 月刊ブックレビュー  vol.51『人口減少時代の都市 成熟型のまちづくりへ』 今月の書評の本は何にしようか、と本屋の棚を見上げていて、中公新書のコーナーで、『人口減少時代の土地問題』と『人口減少時代の都市』という、音の響き的にはほとんど同じタイトルの本が並んではさまっているのを見つけました。去年7月発行の中公新書№2446と、今年2月発行の2473。両脇には間の2450、60番代の中公新書がいくらでもあるのにこの2冊が隣同士に並べられていたのは、書店員のはからいか、はたまた心ある客のいたずらか。

    そんな妄想をしてしまったのは、先に読んだ『人口減少時代の土地問題』がそれくらいいい本だったから(vol.38参照)。本書も『人口減少時代の都市問題』としてもよかったのにと思いつつ、中身との整合性からは、ベストは『人口減少時代の都市経営』だったでしょうか。つまり「都市経営」が本書のテーマです。