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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

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時の積み重ねが生み出す美を
演じることで表現する

 
12月2日にNHK BSプレミアムで放映される『東京ウエストサイド物語』に出演する女優の羽田美智子さん。同作品は東京都八王子市を舞台に繰り広げられるハートウォーミングなコメディーで、羽田さんは「芸者になる」と宣言して突然修業を始め、家族を振り回す天真爛漫な主婦の役で登場する。羽田さんが同作品を通して伝えたいこととは? これまでの女優人生を通じて培ってきた仕事観を踏まえて、お話をうかがった。
 
 

役と一体化できた時の快感が魅力

 
 演じる役と一体化してきて、自分がなくなっていく瞬間が好きです。役として真に生きられている瞬間は、無我の境地に近付いたような、得体の知れない快感があるんです。そういう瞬間を得られた時の仕事は、作品を観てくれた方々の心に、何かが届いているだろうなって確信できます。そこが女優業の魅力ですね。
 
 本来の自分とサヨナラしたいわけではないんですよ。でも、役になり切れると、何かを全うできた感じがする。神様からの使命を果たせたかのような・・・。わかりやすく言えばそれって、幸福感や満足感なんだと思いますけど、その瞬間をつかむまでには、たくさんの苦労があります。
 
 例えば、戦時中など過酷な時代を生きた女性の役では、演じる人物の本質に近付けば近付くほど、私自身も苦しくて鬱々とした気持ちになります。でも、撮影が終わるまでは緊張感を緩めず、その心境にしがみついていなくてはならない。血を吐くような、と言うと少し大げさですけど、そういう辛さを乗り越えて仕事ができた時に、アスリートで言う、ゾーンに入るような瞬間が得られるのは確かです。そう考えると役者ってみんな、Mっ気があるのかもしれないですね(笑)。
 
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