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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

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小西さんは若くしてファッションデザイナーとして独立。自分のデザインが思うように世に受け入れらず苦労した時期があったものの、糸問屋が廃棄する糸を再利用して編み上げたニットが大ブレイク。ミラノなどファッションの中心地でコレクションを発表し、一躍時の人となる。しかし、その事業が次第に傾き、15億円もの借金を抱えてしまったことも。
 
 

考え過ぎずにともかく動け!

 
 勢いがあった時は僕のことを「先生、先生!」なんておだててくれていた人もいたけど、会社が傾きだすと大多数が手のひらを返して去っていった。あの当時は借金返済のために生活水準も下げなくちゃならなくて、食べる物、行くところ、人付き合い・・・全てを変えざるを得なかった。月に20万円程度の生活をしながら何年もかけて負債を返済しきったけど、あの時はどん底を味わったと思っている。
 
 僕がその試練にどうやって耐えて、どう乗り切ったかというと、とにかく余計なことは考えないようにしたんだ。考えすぎると絶望的な気分になってしまうからね。あの時期に学んだのは、人間が事前に予測すること、できることって、大体その通りにはならないということだな。どんなに慎重にプランを立てても、必ず予期せぬことが起こるから全てが計画通りに進むなんてあり得ない。例えば借金返済だって、事業再生の計画を立てて返済プランに従って返すわけだけど、その通りに事が進めば苦労はない。必ずイレギュラーが起こって対応を余儀なくされる。そういうものだよ。
 
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 事前に予測できることなんて無限にあるわけだから、そういうことを気にしすぎたら、八方塞がりになっちゃう。それよりも細かいことは考えすぎず、ともかく日々を一生懸命過ごしていた。努力を積み重ねながら一生懸命やっていれば、いい意味で予期せぬことが起きるもんだよ。思いもしなかった大きな仕事が入ってくるとかね。
 
 社会で生きる、組織で仕事をする中では、理不尽なこともたくさん起きるから悩んでしまう人も多いと思う。でも、諦めずに耐えて、試練だと思って頑張り続ければ道は開けるものだよ。ただしそれよりも先に、己のことを知っておくのがものすごく大事だと思う。例えば、自分の性格的な弱点、仕事のうえで足りない能力などをきちんと把握しておく。そして、そこを強化しようと努めるんだ。そうすれば人間は必ず成長できる。辛いトレーニングを繰り返さないと筋肉はつかないでしょ? それと同じことなんだよね。
 
 
「自分が何者であるかを知ったうえで、主観・客観、どちらの思考もバランスよく使い分けられる人。主客の誤差が少ない人ほど、仕事ができる」と小西さんは言う。要は、物事に関する考え方においては主観的・客観的な視点を時宜に応じてバランスよく使い分けることが大事だということらしい。しかし、その前提として知っておくべき自分とは? 小西さん流の自分を知るための方法について、聞いてみた。
 
 

自分の力で道を開け!

 
 失敗や恥をかくことを恐れずに挑戦することだよ。野球で言うなら、3割バッターってすごく優秀だよね。でも、7割の打席で失敗している。その7割があってこそ、3割の結果があるわけじゃない。だから、恥をかくとか失敗するとか、困難に見舞われて精神的に追い詰められるとか、そういうことに正面から向き合って解決に努める経験を繰り返すのが一番いい。
 
 「どうしてこんなに自分ばかり苦しい思いをするんだろう・・・」と思う時もあるかもしれない。でも、試練を乗り越えていくうちに、他人や周りのせいにしているだけではダメだと気付くことがある。うまくいかない時こそ、自分がその状況においてどう振舞うべきなのかを、自分の責任において、きちんと考えて行動するべき。他人を頼るのではなく、自分自身の力で解決する。
 
 月並みな言い方になってしまうけど、何事に対しても悔いが残らないように、全力投球することだよ。結果として失敗してもいいんだ。失敗しないで人生を過ごそうなんて甘い考えだよ。失敗があるから成功があるんだ。人生はプラスとマイナスの出来事で成り立っているから、プラスだけで生きていこうなんて無理な話。自分の現状に満足せず、常に新しいことを求めて挑戦を続けないとクリエイティブな仕事なんてできないよ。
 
 そうやって苦労や困難から逃げずに乗り越えていくことで、じわじわと自分自身の本当の個性や、仕事における能力の長短がわかってくる。つまり、自分を知ることができるんだ。苦労をたくさんしたほうが自分の行動にも余裕が持てるようになるよね。突発的なトラブルにも、過去の経験を応用して冷静に対処できる。自分に余裕があるから客観的・俯瞰的に周囲を見られるようになって、他人を思いやる気持ちが出てくる。つまり、人格的にも優れた人間になれるんだよ。自分を知り、主観・客観的思考をうまく使い分けるというのは、そういうことだな。
 
 反対に、何でも「スマートかつ効率的にこなそう」なんて考えている人は、常に自分のことしか念頭にない。何でも効率化すれば生産性が高まると思っているどこかの大企業と一緒で、何か人として大事な、本質的なことが欠けたものしか生み出せない人間だと僕は思うね。 
 
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